本記事では、これまでのProduct Reviews Systemを振り返り、一足早く展開された海外サイトへの影響についてご紹介します。(2023年3月30日時点)

Product Reviews Systemの概要

Product Reviews SystemはGoogleのアルゴリズムアップデートの一種であり、主に”質の高い商品レビューをより評価すること”を目的としています。

2023年3月時点でProduct Reviews Systemは計6回リリースされており、実施時期はそれぞれ以下の通りです。

  • 2021年4月8日:Google’s April 2021 product reviews update
  • 2021年12月1日:December 2021 Product reviews update
  • 2022年3月23日:March 2022 Product reviews update
  • 2022年7月27日:July 2022 Product reviews update
  • 2022年9月20日:September 2022 Product reviews update
  • 2023年2月21日:Febrary 2023 Product reviews update

直近リリースされたFebrary 2023 Product Review Updateでは、これまで英語圏のみであった対象範囲が拡大され、11言語(英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベトナム語、インドネシア語、ロシア語、オランダ語、ポルトガル語、ポーランド語)で展開されました。

いずれはグローバルに展開され、日本語の商品レビューページも対象になることが予想されます。

Product Reviews Systemによる海外サイトへの影響

Search Engine Journalの調査より、Product Reviews Systemの影響を受けたサイトと要因をまとめます。

以下は、海外で展開されたProduct Reviews Systemで順位変動が見られたクエリの一例です。

  • Best Built-in Microwave
  • Best Freezerless Refrigerator
  • Top Freezer Refrigerator Reviews
  • Best Camping Air Mattress
  • Best Facewash for Oily Skin

日本語が対象になった場合、「おすすめ」や「レビュー」「評価」といったクエリでの影響が予想されます。

また、実際に順位変動が見られたサイトの一例は以下の通りです。

【順位が上昇したサイト】

【順位が下落したサイト】

Product Reviews Systemにおいて順位変動に影響を与えた4つの要素

Product Reviews Systemにおいて順位変動に影響を与えた要素として、Search Engine Journalでは主に以下4点を挙げています。

  • “売り込み”を目的とした用語の頻度
  • レビューコンテンツの充実度
  • レビューコンテンツの質
  • 過剰な内部リンクの有無

“売り込み”を目的とした用語の頻度


(参照:St.James Gate

まず、“売り込み”を目的とした用語の頻度です。実際に順位が下落したサイトでは ”売り込み” が強い構成になっており、レビューが疎かになっていました。

レビューコンテンツに本来求められるのは、ユーザーが商品を購入する際に検討材料となる情報(商品機能や体験談)のはずです。そのため、アフィリエイトリンクを介して、”激安” や ”割引” などの用語を多用して販売を促進することが目的になっているページは順位が下落しました。

レビューコンテンツの充実度


(参照:Bellingham Electric

次に、レビューコンテンツの充実度です。Product Reviews Systemで順位が上昇したサイトには以下の特徴が見られました。

  • 写真や動画コンテンツの埋め込み
  • 複数の販売者へのリンクの設置
  • 製品仕様の記載
  • 実際に購入する際に注意すべきポイントの記載

上記の内容は、いずれもGoogle公式ドキュメントにて、商品レビューのベストプラクティスとして公表されている内容になります。(Google検索セントラル「質の高い商品レビューを書く」)

特に、最近ではAIによる自動生成コンテンツを公開するサイトも増えており、本当に使用したことが伝わる商品レビューコンテンツが求められています。実際にGoogleが公表しているベストプラクティスの中には「画像、音声、または商品に関する自分自身の体験に基づく説明へのリンクなど、専門知識を示し、レビューの信頼性を裏付ける証拠を提供します」といった項目も存在します。

商品レビューページの中で、実際にその商品を使ったことがあるのかどうか(体験)が、視覚的に伝わりやすいコンテンツ(画像や動画)は、Google・ユーザー双方にとって好まれる傾向にあります。

レビューコンテンツの品質

続いて、レビューコンテンツの品質です。単にレビューコンテンツが充実しているだけではなく、同時に”品質”も担保されているかどうかが問われます。

Product Reviews Systemの影響で順位が下落したレビューページには、製品マニュアルに存在するような一般的な内容しか記述されていないケースも見られました。商品の機能面ばかりを紹介するような誰でも書ける内容では評価されにくいため、ユーザー視点から実際の使用感などを交えたレビューがあるとより質の高いコンテンツに近づきます。

また、Search Engine Journalでは、ユーザー視点から製品を評価しているコンテンツは文脈の中で自然と”一人称”の出現率が高くなる傾向にあり、Googleは文脈から”直接使用したことのある人によって書かれたコンテンツ”を汲み取り、意図的に評価しているのではないかとの見解を示しています。

過剰な内部リンクの有無


(参照:Reader’s Digest

最後は、過剰な内部リンクの有無です。順位が下落したサイトは、商業的な意図を感じるような内部リンクが複数設置されていました。

ユーザーにとって意味のある内部リンクであれば問題はないですが、過剰な内部リンクの設置はレビューページ問わず、スパム行為に該当する可能性があるため避けた方がよいです。

具体的な数の制限はありませんが、内部リンクを設置する際はユーザーの役に立つかどうかで判断します。

Product Reviews Systemの国内展開に備えて取り組むべきこと

これまで過去6回展開されてきたProduct Reviews Systemですが、いずれも日本語は対象外でした。しかし、今後グローバルに展開され、日本語の商品レビューページも対象になることが予想されます。

今回ご紹介した海外サイトの影響事例を踏まえて、改めて自社の商品レビューページを振り返ることをおすすめします。

また、Googleから質の高い商品レビューを書くためのベストプラクティスも公開されています。Product Reviews Systemの国内展開に備えて、まずはベストプラクティスと照らし合わせながらレビューページの品質強化に取り組んでみてください。

参考記事:

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齋藤遥

学生時代にはWebライターとして活動し、2021年5月より株式会社プリンシプルへ参画。現在はテクニカル領域を中心としたSEOコンサル支援を行う。

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