Googleマーチャントセンターの無料リスティング設定に「自動タグ設定」が新たに追加されました。これによりGA4で無料リスティング枠のコンバージョン貢献度を可視化できるようになります。この記事ではその方法と注意点を解説します。

Googleマーチャントセンターの自動タグ設定とは

無料リスティング枠の効果計測はクリックまでだった

Googleショッピング広告を利用している場合、クリックされても課金対象とならない「無料リスティング」という枠を利用する設定を知っている方も多いでしょう。

Googleマーチャントセンターでは、この無料リスティング枠に表示された商品の表示回数やクリック数がデータとして提供されます。これにより、無料リスティング枠がサイトへのトラフィックにどの程度貢献しているかがわかります。

一方ユニバーサルアナリティクスでは、無料リスティング経由のセッションがオーガニック検索経由として分類されるため、以下のような課題がありました。

  • オーガニック検索のセッションの中で、無料リスティング枠経由のセッションがどの程度あるのか分類ができない
  • 同じ理由でコンバージョンも無料リスティング枠経由のものを特定できない

つまり、無料リスティング枠の売上貢献度がどの程度か、定量的に把握することができませんでした。

 

自動タグ設定でGAでも無料リスティング枠経由のセッション特定が可能に

今回Googleマーチャントセンターに追加された「コンバージョン設定」にある自動タグ設定(Auto-tagging)を設定することにより、Googleアナリティクスでの分類が可能になりました。

自動タグ設定を利用すると、無料リスティングに対する Google からのトラフィックに一意のクリック ID が付加されます。この機能をウェブ解析ツールと組み合わせて使用すれば、無料リスティングのパフォーマンスを把握できます。

Merchant Center の自動タグ設定について – Google Merchant Center ヘルプ

ただし、これを利用する場合、ランディングページURLにクエリパラメータ「srsltid」が追加されるようになるため、Googleアナリティクスでどのように対応する必要があるか、以下に留意点をまとめます。

GA4とUAで自動タグ連携の挙動が異なる点に注意

結論から言うと、GA4とユニバーサルアナリティクス(UA)では挙動が全く異なるため、利用しているGAのバージョンに合わせて対応を検討するのが良いでしょう。

  • GA4の場合:
    自動タグ連携で流入元が判別可能、追加対応も不要
  • UAの場合:
    自動タグ連携で流入元判別が可能だが、追加対応が必要に

GA4の場合:自動タグ連携で流入元が判別可能、追加対応も不要

GA4では追加対応が不要な上、これまでユニバーサルアナリティクスでは判別することができなかった無料リスティング枠経由のセッションが、自動タグ連携によって判別できるようになります。

自動タグ連携というと、下記記事のようなクリックIDの除外対応が思い浮かぶかもしれません。

しかしGA4で自動タグ連携済みのアカウントを見ても、URLにクエリパラメータ「srsltid」がついているものは見つかりませんでした。よって、URLがクエリパラメータによって分散してしまう問題は気にする必要がありません。

また設定の前後で比較すると、以下のようなトラフィックが計測できるようになっていました。

  • デフォルトチャネルグループ が Organic Shopping
  • 参照元 / メディア が google / organic
  • セッションの参照元プラットフォーム が Shopping Free Listings

つまり、GA4では追加対応不要な上、これまでユニバーサルアナリティクスでは判別することができなかった無料リスティング枠経由のセッションがわかるようになった、と言えます。

UAの場合:自動タグ連携で流入元判別が可能だが、追加対応が必要に

ユニバーサルアナリティクスでは、GA4のように「デフォルトチャネルグループ」や「セッションの参照元プラットフォーム」のディメンションを利用した自動判別はできません。

かろうじて可能になるのは、ランディングページURLに付与されるクエリパラメータを元に、例えばチャネル設定で「Organic Shopping」のチャネルを追加する対応です。

一方、UAではこちらの記事(再掲)で紹介したURLの分散が発生する(2022/2月現在)ため、これを避けたい場合は除外URLクエリパラメータの設定を行う必要があります。

つまりユニバーサルアナリティクスの設定だけで乗り切ろうとすると、こちらを立てればあちらが立たず、という状態になるため、現実的にはカスタムディメンションを利用するなど、タグ実装側での工夫が必要になるでしょう。

まとめ:UAとGA4の差分は今後も出てくる可能性あり

  • Googleマーチャントセンターの無料リスティング設定に「自動タグ設定」が新たに追加された。
  • 自動タグ設定によりGAでも無料リスティング枠経由のセッション特定が可能になった。
  • ユニバーサルアナリティクスでも自動タグ連携により流入元判別が可能だが、追加対応が必要。

今回はGoogleマーチャントセンターの自動タグ連携について解説しましたが、これはGA4が他のGoogleプロダクトと連携する姿勢がより強まっていることを示唆していると考えられます。

弊社記事「【広告だけじゃない】データフィードの徹底的な活用方法」の例にある通り、Googleプロダクトで取り扱うデータはプロダクトを問わず似ている部分があるため、その相互運用性を高めることは、今後もGoogleマーケティングプラットフォームの魅力になっていくでしょう。

また既存のプロダクト連携を例に取ると、例えばGoogle広告の自動タグ連携で実現されていることとして、クリック数や表示回数、消化費用といった広告データが、Googleアナリティクスで確認できる、というのがあります。つまり、今回自動タグ連携されたGoogleマーチャントセンターでも、無料リスティング枠のデータをGoogleアナリティクスに連携可能と予想されますから、この連携は更に深い分析を可能にしてくれるかもしれません。

GA4はまだまだ機能開発が進むはずですから、引き続きプロダクト間の連携には期待したいところです。しかし一方で、今後ユニバーサルアナリティクスには実装されない機能が出てくる可能性も大いにあります。よって、ユニバーサルアナリティクスを引き続き利用する観点でも、GA4の動向を注視しつつ必要な設定を随時行い、タイミングを見て移行を考えることが必要になってくるでしょう。

2022/3/24追記

GA4にGoogleマーチャントセンターのリンクが追加されました。連携により、無料リスティングのレポートで、purchaseイベントをコンバージョンとした指標が閲覧可能になります。

コンバージョンデータは連携後から確認可能になるようです。なので、すでにGA4でpurchaseイベントを実装済みのサイトでは、早めに連携しておくのが良いでしょう。

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似田貝亮介

千葉大学工学部卒。データ解析エンジニア。

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