新サーチコンソール(以下新SC)の”ベータ版マーク”が外れ、徐々に旧版から機能が移行しています。
先日も移行状況について公式ブログで伝えられました。
上記以降の最近の情報としては「セキュリティの問題」レポートの追加、「(Googleの指定する)正規URLへのデータ統合」(リンク:https://webmasters.googleblog.com/2019/02/consolidating-your-website-traffic-on.html)があります。

新SCは、レポートの名称の細かい変更を含め、日々改変されています。
本記事では、公式情報やUSオフィスアワーでのコメントも適宜参照し、今後の見込みや不明確なところを明らかにしたいと思います。

ちなみに、移行状況と機能比較(Comparison of tools and reports)、および現在サポートされていない機能(Currently unsupported features)の一覧は以下に掲載されています。
https://support.google.com/webmasters/answer/9073702?hl=en

本ブログ記載は2019年2月19日時点の内容です。

エラーレポート

エラーレポートは、Googlebotによって認識されたサイト内のエラーをまとめて情報提供してくれます。旧版から存在し、新SCにはインデックスカバレッジのレポートに包含・機能拡張される形で移行しました。

インデックスカバレッジのレポートが旧版に比較して充実したのは喜ばしいですが、多機能になったために理解しなければならないことも増えました。

1月11日のオフィスアワーでは、John Muellerにより、サーチコンソールに情報を出しすぎていたが、それほど深刻でないのもあったため、クロールエラーレポートで深刻でないエラーの表示を減らしていく、と語られています( https://youtu.be/ZKN8B3yeFAQ (0:50頃))。公式ブログの「Crawl errors in the new Index Coverage report」による言及も同様のものと考えられます。

見やすくなった内容としては、対象のエラーについて、XMLサイトマップで送信したURLなのかどうか、があります。
例えば、404について、XMLサイトマップで送信しているURLの場合は「エラー」のレポートに分類され、そうでない場合は「除外」に分類された上でアラートされます。
「除外」レポートは、色味がグレーという比較的暗い色であるからか”悪いこと”と認識されてしまいがちですが、404の存在自体はSEOに悪影響のものではありません(参考: 過去ブログ)。ただし、サイトの中に大量に404があり、かつクロールされやすい状態はドメインとしての評価の観点で注意が必要)。深刻でないものは、無視して構いません。

カバレッジレポート内のエラーレポート

しかしながら、送信したURLが404であることはXMLサイトマップの信頼性を損ない、ひいてはクロールバジェットを減らしてしまう可能性を秘める意味で、量と頻度によるものの修正したいエラーです。

補足

「クロールエラー」

オフィスアワー、および上記の公式で示されている「クロールエラー(Crawl Error)」は、旧版の「クロールエラー」レポート全般のことを示しています。
新SCのインデックスカバレッジ内の「エラー」レポートでは、旧版にあったデスクトップ/モバイル の違いはなくなります。
一方、インデックスカバレッジ内の「除外」レポートにある「クロールエラー」は、「不特定。レスポンス コードが 4xx または 5xx レベル」の可能性のあるエラーです。

「除外」レポート内項目の解釈

「代替ページ(適切なcanonicalあり)」は、canonicalを導入したことによりインデックスから除外されたことを示しているため、意図通りに正規化されている限りは全く問題ないと考えてOKです。
先の段落の通り、除外における「404」は憂慮する優先度の低い、または考慮する必要のないものと言えます。
一方、「重複しています」や、「クロールエラー(サーバーエラーであり、長期化している場合)」は、対応が必要と言え、結局のところ「除外」についても「エラー」でないから放置、とはいかず、個々に解釈をする必要があります。

「有効」と「警告」

”明るい色。進め”の緑色「有効」についても、増えたからと迂闊に喜ぶ前に、インデックスされたくないURLがインデックスされてしまっていないか確認しましょう。重複ページがインデックスされたために「有効」が増えた場合は、比較的重要な問題として、解決が必要です。

「警告」は、ウェブマスターの明示的な指示が機能していないことを通知してくれます。代表的なものは、robots.txtでブロックしたURLがインデックスされるケースです。これは「robotsが無視されているが、大丈夫か(念のため伝えておくよ)」という趣旨の通知です。
robotsを、クロールさせたくないURLをブロックするために用いているならば、多少のインデックスは無視して構いません。無制限に生成されるURLを、クローラーを無駄遣いさせないために取る手段です。
一方、(本来の使途としては正しくありませんが、止む無く)インデックスさせたくないURLをrobotsでブロックしている場合は、インデックスされてしまったという警告を受け止め、対策を講じましょう。

モバイルユーザビリティ

モバイルユーザビリティレポート

旧版にも存在したレポートですが、使いやすくなっています。
なお、当レポートに表示されるURLを見て、「うちのサイトはもっとURLがインデックスされているはずだが」と感じられるかも知れませんが、実際、インデックスしているすべてのURLを表示している訳ではありません。サンプルとして代表のURLを、エラーの場合はより重要なエラーを表示している、とのことです。(https://youtu.be/ZKN8B3yeFAQ (42:10頃))

リッチリザルト

旧版では「構造化データ」という名称で提供されていましたが、新SCではリッチリザルトに対応するschemaのレポートに限られます(公式ブログ)。
弊社サイトでは、リッチリザルト関連では現在「Googleしごと検索」を実装しているため新SCに「求人情報」の欄が追加されていますが、一方「Website」や「Breadcrumbs」といったschemaは項目が表示されません。

リッチリザルトレポート(例:求人情報)

旧版には本日現在「構造化データ」レポートは存在します(構造化データテストツールにリンクする)。

インターナショナルターゲティング

現在、移行したいと思っているが、まだできていない。時間の問題で、確かに(definitely)、セットする。とのことです。(https://youtu.be/ZKN8B3yeFAQ (16:20頃))

まとめ

John Mueller曰く、新SCについて今年にどんどん機能移行され、充実しウェブマスターの役に立つものになると語っています。
SCへの改善要望・フィードバックは、新SCの左下「フィードバックを送信」から送ることができます。私もいくつか送っています(クエリ/ページ絞り込みで正規表現を使いたい、等。個人的には「クロールの統計情報」の移行が待ち遠しかったりなかったり)。
フィードバックは現在も募集されているため、役に立つと思ったものはフィードバックしつつ、新SCを使いこなしていきましょう。

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菊池浩之

一橋大学卒。SEOコンサルタント。解析とSEOの知見を掛け合わせたアプローチによる実績多数。

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