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クリックを阻むものとしてのサーチエンジン

12月中旬に、Google Flights(航空便の検索機能)およびGoogleのホテル検索機能に新たな提供情報が追加されました。
Flightsには「ヒント(Tips)」という情報項目に価格比較が追加され、選択した日時について機械学習等をもとに算出した他の日時との比較情報を知らせてくれます。
ホテル検索にも、例えば「(地域名)_ホテル」なら近隣の客室料金の比較インジケーターが表示され、予約するホテルが適価かどうかを教えてくれるようになりました。
Googleホテル検索画面
このようなGoogle検索機能のアップデート(かつ、モバイルを中心。北米先行で日本では適用されていないものもある)はもう日常ですが、旅行業界出身の筆者から見ると改めて今件は感慨深いものがあります。
SEOが「Engineでなく”Search Experience Optimization=検索体験最適化”だ」と言われてからすでに何年か経ちますが、ある程度の情報取得は明らかに検索結果画面だけで完結できる現状にあります。
検索エンジンの目指す世界がユーザーにとっての快適な情報収集体験であるとすれば、結果をクリックしてページをめくらせるのも億劫だとユーザー配慮をしてくれるようになる日も遠くないように感じます。
今年は特に検索結果画面下での変化が目立った一年でした。
クリックを阻むものとしてのサーチエンジンという観点で、来年に考慮したい検索結果画面の3点をまとめたいと思います。

構造化データ(リッチ検索結果)

Structured data. This is one of those things that i want you to pay lots of attention to this year.*
(構造化データ。今年注意を払ってほしいもののひとつ。(Google Gary Illyes))

11月のPUBCONでGoogleによって多くの時間を使い言及されたのが構造化データです。
Googleはサーチエンジンとしては極力schemaを用いずにページの内容を理解したいと言う一方、リッチ検索結果を表示させるため、としてページを理解する手助けとしての構造化データの使用をデベロッパーに促しています。
このPUBCONにおいて「構造化データによってページの理解が促される」とランキングへの影響にも初めて言及しており、力の入れようが窺えます。
Googleによる構造化データの収集には、

  • ・自社の機械学習にとってのデータの理解促進
  • ・理解したデータに基づくリッチ検索結果の充実

があると想像できます。(as training data?という問いにはNo、と答えていますが)
(12月下旬に「リッチ検索結果ツール」という検証ツールが発表され、「リッチスニペット」などの言い方が「リッチ検索結果」に統一されました)
* 出典 http://www.thesempost.com/adding-structured-data-helps-google-understand-rank-webpages-better/ (THE SEM Post)

スニペットの長文化

こちらも最近変更の加わったものですが、スニペット最大文字数が日本語120文字前後から250文字前後まで増量しました。(英字160→320)
250文字スニペット
meta descriptionで指定するところのスニペットはCTRを上げるために改良を繰り返すものですが、250文字もあるとページの内容はほぼ要約できてしまいそうです。
もちろん、長いスニペットになったために即検索結果画面だけで何事も完結するということではなく、また、文章を整えるための対策は必要になるかも知れません。
スニペットの長文化に対するGoogleの意図は、検索結果画面におけるユーザー情報収集体験の品質向上が窺えます。
要約枠の増量によって、スニペットの内容だけで済むものか、またクリックして読むべきコンテンツかそうでないかの判断材料が増えたことになります。
metaによる指定のない場合、Googleがコンテンツを読み取って要約をスニペットとして表示します。コンテンツをしっかり作っているサイトには懸念のない話ですが、中身のないコンテンツには中身のない要約が作られ、ユーザーにクリックを避けられる、価値なし判定の運命にあります。

Yahoo!モバイル検索

上記二つの話題と毛色が異なりますが、構造化データのリクエストと合わせて最も今年よく耳にしたのがこの悩み、現在のYahoo!検索、とくにモバイル経由の自然検索トラフィックの下落です。
Googleの増加でカバーしてはいるものの、モバイルでは、Yahoo!で前年比10%程度の下落が最も見られました。
Yahoo!は利用者が減っているという言い方をされますが、データによるとPCでは若干の減少が見られるものの、以下ニールセンのデータに基づくとモバイルではYahoo!の利用者は増加していることが分かります(Yahoo!検索に限らないサービスの総計)。統計ソースによるものと言えますが、単純な利用者減だけで片付けるのは早計でしょう。
PCサービス利用トップ10(ニールセンネットビュー)
モバイルサービス利用トップ10(ニールセンネットビュー)
出典: http://www.netratings.co.jp/news_release/2017/12/Newsrelease20171219.html Nielsen NetviewおよびNielsen Mobile Netviewに基づく
過去1〜2年のYahoo!自然検索トラフィック減少は、ユーザーによるGoogleからの乗り換えという側面のほか、Yahoo!モバイル検索結果画面上のYahoo!各種サービスとの競合が考えられます。
モバイルで顕著ですが、商品名検索の場合はリスティングの下に、Yahoo!ショッピングの枠、ポイント告知、Yahoo!ニュース、NAVERまとめ、などが並びます。Googleも検索結果にニュースを挟みますが、検索結果への自社サービスの挟み方はYahoo!が先行しており、自然検索結果を紛れさせています。
(「正月 おせち」でのYahoo!モバイル検索)
「正月_おせち」でのYahoo!検索結果画面(1)
「正月_おせち」でのYahoo!検索結果画面(1)
モバイルのGoogle/Yahoo!利用者比率は表のとおりGoogleが上回っていますが、Yahoo!も無視できない程の利用者がいます。検索結果画面全体を戦場と捉えた時に、SEOのことだけを考えるのではなくYahoo!ショッピングでの展開やNAVERまとめへの出稿など俯瞰した戦術の考慮が必要と言えます。

ユーザーの問題解決を目指すサーチエンジン

2017年の検索結果画面は、これらの他にもAMPや強調スニペットの増加などいくつかの目立つ変動がありました。頻繁に行われているGoogleモバイル検索画面のテストも合わせて察するに、この「検索結果画面をリッチにする」方針は変わらないものでしょう。
サーチエンジンの目指すところはインターネットにおけるユーザー体験の最適化であり、クリックによるサイトへの訪問を前提とはしていないというのが私の考えです。
ことSEOにおいても、自然検索結果のみの最適化にとらわれず、より俯瞰したユーザー起点でクライアントに対して考察とサービスを提供していかなければならない、と自戒を込めてまとめたいと思います。

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菊池浩之

一橋大学卒。SEOコンサルタント。解析とSEOの知見を掛け合わせたアプローチによる実績多数。

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