「広告費はかけているのに、成果が感じられない…」とお困りではないでしょうか。その原因の多くは、広告の目的が曖昧なまま配信されていることにあります。

本記事では、Web広告の費用対効果を最大化するために欠かせない「ブランドターゲット」と「セールスターゲット」の二軸戦略について解説します。

ファンを育てる「ブランドターゲット」

ブランド広告が目指すのは、短期的な売上ではありません。理想的なユーザーにブランドの世界観を届け、価値観や理念への共感を育むことが狙いです。いわば「認知拡大」ではなく、“ファン育成”です。

ユーザーがブランドの世界観に触れることで、共感や愛着を持ってもらい、「何だか素敵だな」「応援したい」という気持ちを引き出すことがゴールです。エンゲージメントが高まった顧客は、将来的に優良な顧客になるだけでなく、SNSなどで自発的に情報を発信し、新たな顧客を呼び込むきっかけを作ってくれます。

アプローチ方法としては、認知形成を主目的としたディスプレイ広告、動画広告、SNS広告などの視覚的に訴求できるメディアが適しています。これらの手法を通じて、まだニーズを顕在化していない潜在層へ、広くブランドの価値を届けましょう。

※広告手法は対象商材やターゲットによって異なります。

売上を直接狙う「セールスターゲット」

一方、セールス広告が目指すのは、具体的な成果(購入・申し込み)の獲得です。

こちらで狙うのは、すでに具体的なニーズを持っているユーザーや、購買意欲の高い層、購入をほぼ確定している(後はどこで買うか、どれにするか迷っている)ユーザーです。

彼らは、ブランドの「ストーリー」や「理念」よりも、自分が抱える課題をどう解決できるかという具体的な答えを求めています。そのためセールス広告では、このユーザーの具体的なニーズを捉え、商品やサービスがその最適な「解決策」であることを提示し、すぐに購買へ結びつける設計が重要です。

セールスターゲットへのアプローチの代表的な手法には、顕在化したニーズを持つユーザー(特定のキーワード検索者やサイト訪問者など)を直接狙う検索広告や、リターゲティング広告があります。

また、購入障壁の低い商材においては、ディスプレイ、動画、SNS広告を活用し、製品のベネフィットを強調することで「今すぐ試したい」と思わせ、検討期間を短縮し、競合ブランドより優位に早期コンバージョンを促す訴求が有効です。

※こちらもブランドターゲット同様に、広告手法は対象商材やターゲットによって異なります。

なぜこの二軸を分けて考えるべきなのか?

ブランド広告とセールス広告を混同すると、広告の“空振り”が増え、費用対効果が低下してしまいます。

もし、あなたのブランドを全く知らない人に、いきなり「今すぐ買ってください!」と強くアピールしたらどうでしょうか?ほとんどの人は興味を持たず、広告費は無駄になってしまいます。逆に、今まさに購入を検討している人に、ブランドの理念ばかりを語りかけても、「欲しいのはそれじゃないんだけど…」と購入のチャンスを逃してしまうかもしれません。

つまり、「ファン育成」と「売上獲得」では、狙う相手も伝える内容もまったく異なるのです。二軸を明確に分けて運用することで、それぞれのユーザーに最適なメッセージを届け、広告の無駄を徹底的に排除できます。

この考え方を実践すれば、長期的なブランド価値を高めながら、短期的な売上も確保するという、持続的なビジネス成長が可能になります。ぜひ、ご自身の広告運用にも活かしてみてください。

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阿久根景介

広告コンサルタント。過去に、国内大手家電メーカーのフルファネルの広告プラン策定・運用・PDCA伴走を経験。
日用雑貨メーカーのサイト制作ディレクションなどを担当。顧客のビジネス課題に対し、デジタルソリューションを通じて多角的な改善提案を実行。

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