従来のユニバーサルアナリティクス(旧GA)では、マーケティングファネルのボトムに当たるアクション(刈り取り)の分析には向いていました。そのためブランディング広告の分析がしづらかったのですが、GA4(Google Analytics4)では「認知」「関心」といったファネルの上層・中層にもアプローチできるプラットフォームへと進化しています。

GA4(Google Analytics4)を活用したブランディング広告について解説します。

記事の内容

  • GA4以前のブランディング広告
  • ブランディング広告に強いGA4
  • GA4の機械学習でブランディング広告も最適化
  • GA4時代のブランディング広告のKPI
  • マーケターがブランディングの本質に専念

GA4以前のブランディング広告

前時代のユニバーサルアナリティクスでは、例えばFacebookでブランディング広告を配信して計測してもコンバージョンとして顕在化せず、ブランディング広告の費用対効果がはかりづらい状態でした。

本質として「ブランディング」は自社のブランド、名前をどう広めるかが目的で「パフォーマンス」と対局にあり、即コンバージョンを求めるものではないはずですが、数値として見えないために「コンバージョン」で成果を測る矛盾が生じてしまう状態だったと言えます。

これまでブランド認知の効果をはかる施策としては「ブランドリフト調査」がありました。これは広告を見た人と見てない人のアンケート調査によってのブランド認知をはかるものです。広告配信からのブランド認知効果をはかるものとしては有効性が高いのですが、まとまった広告費による配信が必要なこと、がネックでした。

広告配信を行った後、オーガニックでのブランド指名検索のボリュームの増加を前後比較する方法もありますがこちらは精度が完全ではなく、ブランディング広告のマーケターは効果測定がしづらい状況にありました。

ユーザー軸のGA4はブランディング広告の革命

マーケティングファネルのボトムとされる「今すぐ買いたい」というアクションにつながるキーワードは、入札が殺到してCPCがどんどん上がります。ユニバーサルアナリティクスの主な指標「セッション」ではそうしたユーザーの分析が中心となっていました。

ところがユーザーという軸で見ると、人はいきなりコンバージョンするわけではなく、あるサイトに初めて訪問する瞬間があります。GA4ではユーザー軸で、初めて訪問した時の参照元メディアやキャンペーンを記録して、LTVと紐付けられるようになりました。「初めて訪問した時のデータが、どんなLTVに結びついているか」をレポートできて、GA4はブランディング広告の強い味方と言えます。

従来はクリックから30日以内のコンバージョンしか紐づかなかったことで刈り取りメインの分析にせざるをえなかったのですが、GA4ではユーザーの最終訪問から約2年間という長いリードタイムでユーザーのLTVを追うことが可能です。

機械学習で最適化されるGA4とブランディング広告

アトリビューションの最適化

メディアごとのコンバージョンへの貢献度を測るアトリビューションも、かつては検索広告単体でのアトリビューションでしたが、GA4ではディスプレイ広告、You tube広告も多面的に検証できるようになっています。どういったジャーニーで最終的にコンバージョンしたかがわかるので、「自社のLTVが上がる検索行動」の分析がしやすくなりました。

キーワードの最適化

セッションベースの「刈り取り」では中心になるのは、ブランドの指名キーワードだったので入札が偏る課題がありました。GA4がKW入札するという機能はありません。関連キーワードの自動入札はGoogle広告の機能です。そのため広告配信するマーケターが想像もしなかったキーワードで成果が出るケースも増えています。

クリエイティブの最適化

従来のクリエイティブテストは単純な数値比較のABテストが主流でした。GA4ではブランド広告のLTVがわかるので、これまでマーケターが作業や指示に時間を取られていた部分はGA4に任せて、本質的なクリエイティブ設計に専念できます。

GA4時代のブランディング広告のKPIは?

ブランド認知されたかの指数は定義しづらかったため、ブランディング広告に対して明確なKPIを立てづらかったマーケターの皆さんも多いのではないでしょうか。ブランディング広告は「予算をかけて広告配信すれば認知が広まるのではないか」という曖昧なマーケティング活動になりがちでしたが、ユーザー軸でLTVを追って数値化できるGA4では自社の業種・業態・商材・サービスなどに応じてKPIを立てやすくなったと言えます。

GA4時代におすすめするブランディング広告のKPIは、どの広告が誘導したかの「ユーザー軸CV率」「初回訪問から一定期間のLTV」などです。

GA4ではマーケターがブランディングの本質に専念

今まで慣れ親しんだ「セッション」という指標はあくまで便宜的なものでした。本質に立ち返るとお財布を持っているのはセッションではなくて人間なので、ユーザー軸で追えるGA4はマーケティングファネルの上層に関わるブランディング広告の精度を飛躍的に向上させました。

かつての「このキーワードは10円で入札。ABテスト回して成果よくないのは止める」という機械的な業務から開放されて、「自社の商品・サービスのどこをどう訴求すればファンになってもらえるのか」といった本質的な施策に専念できるのが大きなメリットと言えるでしょう。

まとめ

マーケティングファネルのボトムである「即コンバージョン」だけを追うといずれは枯渇するので、上流からファネルの母数を増やすブランディング広告の重要性はますます高まるのではないでしょうか。

まだGA4は実装している事業会社さんも少ないため、今すぐ入れてデータを蓄積することで先行者利益となるメリットを発揮できるかと思います。

GA4を活用したブランディング広告で実績を持つプリンシプルにぜひご相談ください。

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鈴木夕加里

広告コンサルタント。長年ECサイト運営で培った「徹底したエンドユーザー視点」が強み。

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