BtoBのWeb広告で「CPAが高騰している」「リードの質が上がらない」「施策がマンネリ化している」といった壁に直面していませんか?
本記事では、そんな状況を打破するための具体的なWeb広告の施策案をご紹介します。ただし、やみくもに試すだけでは効果は半減してしまいます。そこで、各施策を顧客の検討段階を示す「マーケティングファネル」に沿って整理しました。
「認知」「興味関心(リード獲得)」「比較検討(リード育成)」「商談・受注」のどの段階に自社の課題があるのかを考えながら、最適な打ち手を見つけるヒントとしてご活用ください。
なぜBtoB広告に「ファネル」の視点が必要なのか?
BtoBビジネスの購買プロセスは、担当者による情報収集、社内での稟議、そして決裁者による承認と、多くの人が関わるため検討期間が長くなるのが特徴です。
顧客はいきなり「買おう」「導入しよう」と決断するわけではありません。
上記の図のように「知る(認知)」→「興味を持つ(興味関心)」→「比べる(比較検討)」→「決める(商談・受注)」という心理的なステップを踏んでいます。この段階を無視して、まだ自社を知らない相手にいきなり「導入してください!」とアピールしても、効果が薄いのは当然です。
自社の広告活動が「どの段階の顧客に」「何を伝えるべきか」を整理しながら広告施策を考えることで、効果を最大化することができます。
以下では、これらのファネル別に整理して、BtoB広告施策のアイデアを8つご紹介します。
【認知段階】の課題と打ち手|まずは知ってもらう
認知段階の課題・目的
この段階の課題は、「そもそも自社サービスが知られていない」「ターゲット企業やキーマンにアプローチできていない」といった点です。目的は、潜在顧客層に自社の存在を広く、かつ「自分たちに関係のあるサービスだ」と正しく認識してもらうことです。
認知段階の施策アイデア
アイデア①:「業界特化メディアへの出稿」
ターゲットとなる業界のプロフェッショナルが情報収集のために利用する、Webメディアやニュースサイトに広告を出稿します。読者層が絞られているため、効率的にターゲットにリーチできるだけでなく、そのメディアが持つ権威性によって、自社サービスの信頼性も高まります。
アイデア②:Facebook/LinkedInの「役職・業種ターゲティング広告」
BtoBの意思決定に関わるキーマンに直接アプローチできる強力な手法です。Facebookやビジネス特化SNSのLinkedInでは、ユーザーが登録したプロフィール情報(企業名、役職、業種、従業員規模など)をもとに、非常に精度の高いターゲティングが可能です。
【興味関心(リード獲得)段階】の課題と打ち手|「自分ごと化」でリードを得る
興味関心段階の課題・目的
この段階では、「サイトへのアクセスはあるが、問い合わせに繋がらない」といった課題が挙げられます。潜在顧客に「このサービスは自分の課題を解決してくれそうだ」と感じてもらい、有益な情報と引き換えにリード情報(氏名、連絡先など)を獲得することが目的です。
興味関心段階の施策アイデア
アイデア③:「お役立ち資料(ホワイトペーパー)広告」
ターゲットが抱える課題を解決するノウハウや業界の最新情報をまとめた「お役立ち資料(ホワイトペーパー)」を用意し、そのダウンロードを広告のゴールにします。
資料テーマ例:
- 『【チェックリスト付】失敗しないSaaSツールの選び方』
- 『〇〇業界のDX推進事例集5選』
- 『2025年施行の法改正に、今から人事が備えるべきこと』
有益な情報を提供することで、売り込み感をなくし、質の高いリードを獲得できます。
アイデア④:サービスの価値を直感的に伝える「デモ・紹介動画広告」
テキストや画像だけでは伝わりにくいサービスの機能やベネフィットを、動画を使って分かりやすく伝えます。実際の操作画面を見せるデモ動画や、アニメーションで活用シーンを紹介する動画は、ユーザーの理解を深め、「自分ごと化」を促進します。
【比較検討(リード育成)段階】の課題と打ち手|リードを育て、商談へ繋げる
比較検討段階の課題・目的
この段階の課題は、「競合他社との比較で負けてしまう」「獲得したリードの検討度合いが低く、商談に繋がらない」などです。獲得したリードの検討度合いを高め(リードナーチャリング)、競合優位性を示し、安心して商談に進んでもらうことを目指します。
比較検討段階の施策アイデア
アイデア⑤:「行動履歴別リマーケティング広告」
一度サイトを訪れたユーザーを追跡して広告を配信するリマーケティングは基本ですが、BtoBではその「行動履歴」でセグメント分けすることも重要です。
活用例:
- 「料金ページ」を閲覧したユーザー: 費用対効果や割引キャンペーンを訴求。
- 「導入事例ページ」を閲覧したユーザー: 同じ業界の別の導入事例や、お客様インタビュー動画を配信。
- 「ホワイトペーパー」をダウンロードしたユーザー: 関連するテーマのウェビナー(Webセミナー)へ誘導。
アイデア⑥:「導入事例動画・記事広告」
実際にサービスを導入した顧客に登場してもらい、導入前の課題や導入後の成果を語ってもらうコンテンツを提供します。第三者からの客観的な評価は、何よりも信頼性の高い情報として、見込み客の不安を払拭し、導入を後押しします。
アイデア⑦:詳細な「サービス資料」の広告
お役立ち資料(ホワイトペーパー)よりも一歩踏み込んだ、機能一覧、料金プラン、技術仕様、他社との比較表などを掲載した詳細な「サービス資料」をダウンロードできる広告を配信します。具体的な導入を検討しているユーザーが稟議資料としてそのまま使えるような、網羅的な情報を提供することで、比較検討フェーズで優位に立つことができます。
【商談・受注段階】の課題と打ち手|最終的な意思決定を後押しする
商談・受注段階の課題・目的
この段階では、「商談はするものの、失注してしまう」「決裁者の承認が得られず、前に進まない」といった課題が考えられます。商談中の顧客やその企業の決裁者に対し、広告を通じて最後の一押しを行い、受注に繋げることが目的です。
アイデア⑧:指名キーワード広告
商談の最終段階で、顧客が自社のサービス名(指名キーワード)を検索する行動は珍しくありません。これは、導入をほぼ決めているものの、最後の確認として「悪い評判はないか」「導入に失敗しないか」といった不安を解消しようとしているサインです。
このタイミングで広告を使い、検索結果の一番上に公式サイトの安心材料(例:お客様の成功事例一覧、セキュリティに関するページ)を表示させることで、顧客の不安を払拭し、意思決定を後押しします。
まとめ
今回は、BtoBのWeb広告施策をマーケティングファネルに沿って8つのアイデアをご紹介しました。重要なのは、まず自社のビジネスのボトルネックが、どのファネル段階にあるのかを見極めることです。
この記事を参考に、自社の課題を整理し、まずは最も効果が見込めそうなアイデアを一つでも試してみてはいかがでしょうか。














