キャリア点検のすすめから始まりWebマーケティングのキャリアについて考察してきた連載も、今回の第4回で最終回となりました。
本稿では、連載をお読みいただき「これまでWebマーケティングに関わったことがないが、今後Webマーケティング職についてみたい」と考える皆さんに向けて、「Webマーケティング職につくための方法」について紹介します。
おさらい
第一回の記事では、山口 周さんのベストセラー書籍「人生の経営戦略」のp.55掲載の図から、ウェルビーイングを実現しやすいキャリアと、そうでもないキャリアがあることを学びました。非常に納得性の高い図ですので、同図の観点からキャリアの点検をおすすめしています。
同図を羅針盤として「スジの良い仕事」の定義をしたのが第二回の記事。そして、プリンシプルが業とするWebマーケティングが「スジの良い仕事」に当てはまるかを検証したのが第三回の記事でした。結論としては、「おおむねWebマーケティングはスジのよい仕事といえるだろう。」というものです。
そして今回は、「Webマーケティング職につくための方法」について、大きく新卒の方、中途で転職する方の2つの場合に分けて解説してみます。
新卒の方がWebマーケティング職をめざす場合
あなたが新卒社員の場合には、以下の2つのパターンでWebマーケティング職につくことができます。どちらの場合でも、一般的に経験は問われません。
1. 事業会社に入社し、マーケティング部に配属される
2. Webマーケティング支援の会社に入社する
しかし、1の場合、A) 首尾よくマーケティング部に配属されるかどうか分からない、B) 配属されても、社内にWebマーケターを育成する教育カリキュラムがないことが一般的、C) Webマーケティング実務を外部の会社に委託しており、自身のスキルや経験が蓄積される度合いが高くないことも多い、というのが現実です。
つまり、実際には1のパターンでWebマーケティング職につくのは現実的ではありません。そこで、2を目指すのが良いでしょう。
2を目指す場合、選択肢は、①総合広告代理店、②Web専業広告代理店、③Web専業マーケティングコンサルティング企業に大別されます。
①総合広告代理店
総合広告代理店は一般的に企業規模が大きく、新聞・TV・ラジオなどのマス広告のクリエイティブ制作能力・媒体調達能力があります。Webマーケティングについては子会社に②のWeb専業広告代理店を持っており、そこでサービス提供している場合があります。
大企業なので、配属がどうなるかが分からない面があり、どうしてもWebマーケティング職についてみたいという場合には、主たる選択肢とはならないかもしれません。
②Web専業広告代理店
Web専業広告代理店は比較的参入障壁が低いため、中小規模のWeb専業広告代理店は比較的多数あります。ただし、新卒を受け入れている会社は少ない印象です。
もし、新卒枠で募集があった場合には、新卒採用実績の有無、教育制度の有無、新卒で活躍している先輩の有無などをチェックし、納得できれば入社を検討しても良いかもしれません。合格すれば必ずWebマーケティング職につくことができるからです。
ただし、Web専業広告代理店は数ある支援領域の中で「Web広告」のみを支援している場合がほとんどです。広告以外の支援領域でも経験を積むチャンスを持ちたい場合には③のWeb専業マーケティングコンサルティング企業を検討すると良いでしょう。
③Web専業マーケティングコンサルティング企業
Web専業マーケティングコンサルティング企業は、Web広告支援だけでなく、自然検索(や生成AI検索)からのトラフィック増加支援(いわゆるSEO)や、Web解析を利用したトラフィックやコンテンツの改善を支援する企業です。
さらに、Google Tag Manager等を利用したタグマネジメント支援や、BIツールを利用したマーケティング成果のダッシュボード作成支援などをサービス提供する場合があります。今、このブログを掲載しているわたしたち株式会社プリンシプルもこの業態に分類できます。
この業態の企業に入社するメリットは、Web広告以外のWebマーケティング支援に従事し、スキルを身につけることができるチャンスがあることです。
なお参考までに、株式会社プリンシプルでは、4年前から新卒社員の募集をしており、2025年6月現在、全社員の1/4程度が新卒で入社した社員となっています。「プリンシプル大学」と呼ぶ社内教育も充実していますので、興味のある学生の方はご応募をお待ちしています。
転職でWebマーケティング職をめざす場合
転職でWebマーケティング職を目指すケースも当然あるでしょう。しかし、一般的には前職での「経験」が必要とされます。受け入れる企業の採用意欲はかなり強いのですが、即戦力を求める傾向にあります。そのため、未経験者には狭き門であることも多いです。
すると、企業側は採用したいが「経験」を必須としている。転職希望者側は転職したいが「経験」がない。というジレンマが発生します。転職希望者側に「Webマーケティング職としての履歴」がないのは事実なので、そのジレンマを解消する唯一の解は「トレーニング」でしょう。
つまり、履歴としてWebマーケティングに従事したことはないが、それに相応するトレーニングを受けた経験で、それに代える。というアプローチです。
株式会社プリンシプルでは、Webマーケティング未経験の方が、採用面接でアピールできるレベルの知識と経験が身につくWebマーケティング講座を展開しています。
プリンシプルの「デジタルマーケティング講座」の特徴
この講座の3つの特徴を説明します。
特徴1:転職を見据えた講座である
受講者のプロファイルとして、明確に「Webマーケティング職につきたい転職希望者予備軍」を設定しています。つまり、受講者にとって費用となるのではなく、投資となるトレーニングを目指して開発されています。
裏話的になりますが、株式会社プリンシプルでは、企業のデジタルマーケター不足解消を支援するためのサービスも提供しております。つまり、企業が求める人材ニーズに日々接する立場にあります。
本講座は、そうした「転職先」企業の人材ニーズに応える講座設計になっています。
特徴2:実践の場で必要な知識・スキルが網羅されている
Webマーケティングを知識として学ぶのであれば、書籍が最もコスパ、タイパが良いでしょう。しかしその場合、転職を可能にするほどのスキル、知識を身につけることはできません。プリンシプルでは、こちらのサービス一覧にあるとおり、広い分野で顧客のWebマーケティングを支援しています。
そうした支援の現場で必要な科目をカリキュラムに含めていることも特徴です。
特徴3:実務研修が含まれている
特徴1、2とも関係しますが、「転職に向けて強力な武器」となる講座であって(特徴1)、「現場で求められるスキル・知識を網羅した講座」を用意しよう(特徴2)とした場合、必然的に「実務研修」が必要となりました。
この「実務研修」があることが、プリンシプルの「デジタルマーケター講座」の最大の特徴ともいえます。この実務研修により、転職時のハードルである「未経験」を、「本当の仕事でこそ従事したことがないが、実際に現場で仕事をしたことがある」に変えることができるのです。
まとめ
新卒の場合/転職の場合に分けて、Webマーケティング職につく方法を説明してきました。新卒の場合は、企業の業態に着目すると、自分がつきたい職種につける可能性を高めることができるという話をしました。転職の場合は、「(実務研修を含む)トレーニングによって”要経験”のハードルを飛び越える」方法を紹介しました。
全4回の連載により、筆者の見解を通じてWebマーケティングという仕事のスジの良さを述べてきました。Webマーケティングは、時間資本を効率よく人的資本に転換でき、人的資本を社会資本に転換しうる、ウェルビーイングにつながるスジの良い仕事と考えています。連載を通じて、Webマーケティングのキャリアを開く方が1人でも増えることがあれば、執筆冥利に尽きます。
プリンシプルでは、Webマーケティングのキャリアを歩む方について、未経験者も、経験者も、教育、キャリアコンサルティング、求人紹介などを通じてサービスを提供しています。
新卒や未経験の方も、転職希望の方も、Webマーケティング職でのキャリアアップに興味のある方は、以下からお気軽にお問い合わせください。