グローバルにビジネスを展開している企業様にとって、企業情報やサービス・製品情報を発信し、現地のユーザーを獲得していくためにグローバルサイトは重要な役割を果たしています。

弊社ではグローバルサイトを管理するマーケターの方々から、「EU圏や北米などローカルユーザー向けページへの集客施策の成果や、流入状況を把握するにはどうすればよいか」と相談を受けることが多くなっております。

そこで本ブログでは、グローバルサイトの流入分析をする際のポイントを、地域・国別に事例を交えて解説させていただきます。

記事の内容

  • エリア別流入分析で抑えたいポイント
  • 広告の成果分析で抑えたいポイント
  • ランディングページ分析で抑えたいポイント

エリア別流入分析で抑えたいポイント

EU流入分析のポイント

GDPR対応により実際の流入数とGA計測データに乖離が発生

最近、Webサイト訪問時にCookieの取得について同意確認ボタンが表示されるのを、よく見かけるようになりました。

EU圏のWebサイトでは日本に先駆けて、「EU一般データ保護規則(GDPR)」によりCookie取得の同意確認が行われています。弊社のお客様で、EU圏向けページをお持ちの企業様も、Cookie取得の同意確認を実施されています。

このCookie取得の同意確認が導入されたことにより、ユーザーがCookie取得を拒否した場合、Googleアナリティクス(以下GA)にデータ送信できなくなります。そのため、実際の流入数と、解析で計測できた流入データに乖離が発生します。

実際に、お客様のEU圏向けページでは、Cookie取得の同意ボタンを実装した後、GAデータ値の減少が見られました。そこで、実際の流入数とGA計測データ値の差異がどれくらいか、実態を把握する必要がありました。

実際の流入数とGA計測データの乖離を確認する方法

実際の流入数とGA計測データの乖離を確認する方法には以下の2つがあります。

  • 確認方法① 導入しているCookie同意管理ツール(Cookie Pro)で利用状況を確認。
  • 確認方法② Googleサーチコンソール(以下、GSC)とGAのGoogle/organicの数値の差異を比較。

弊社では②の方法で数値差異を比較してみました。

具体的にはGSCでEUページを指定し、クリック数を取得。次に、GAでEUページのGoogle/organic値を取得し、比較します。

EUページのGSCクリック数とGAセッション数 ※数値はダミー値

このEUページの場合、実際の流入数に対して、GAで計測できているのは27%となり、かなり乖離が大きいことが分かりました。

中国流入分析のポイント

検閲システム「グレートファイアウォール」がGA計測データに影響

中国用ページにGAを導入してデータを見ると、「想定より数値が低いのでは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

これは、検閲システム「グレートファイアウォール」が影響しているためです。「グレートファイアウォール」のために、GAでの計測率が低くなってしまうのです。

自然検索を分析したい場合は百度(baidu)解析が有効

また、中国ではGoogle検索が使用できないのでGoogle/organicが一般的に中国では少なく、baiduが多いです。中国では検索エンジンの主流は百度(baidu)です。百度からの流入を分析したい場合は、百度解析の導入を検討してみて下さい。

以下に、百度解析導入のメリットとデメリットを紹介します。

■メリット

  • GAとGoogle広告のように百度広告データはそのまま紐づけ可能。
  • 中国の地域別情報はGAより正しく細かく確認が可能。
  • SEO情報がツール内で見られるため、百度系の検索キーワードなどは確認が容易。

■デメリット

  • GAほど複雑な分析はできない。
  • ロジックはGAと少し異なるので、中国語サイト以外との統合性がとれなくなる(数が 合わない、ユーザーの定義が異なるなど)。

百度の管理画面や百度解析ツールの詳細は、弊社のブログ記事「今こそ知っておくべき、百度(バイドゥ)のデータ分析ツール」で紹介しています。併せてこちらをご参照ください。

検索エンジンからの流入がオーガニックに割り当てられないケースがある

お客様の中国ページの成果を分析している際、リファラル流入で成果が良いことに気付きました。調べてみると、本来なら自然検索にカテゴライズされるべき参照元が、実際にはリファラルに含まれていることが判明しました。例えば、cn.bing.comや中国のマイナーな検索エンジンです。

検索エンジンを自然検索に分類させる設定を変更させることは可能です。

特に、自然検索に分類されていない検索エンジンからの流入やコンバージョンが多い場合は、カスタマイズ設定されることを推奨します。

広告の成果分析で抑えたいポイント

複数の国を配信ターゲティングしている場合、国別に成果を分析

グローバルサイトで、ローカルユーザーからの集客を強化するために、ディスプレイ広告や検索広告を使用されることがありますが。その場合は、国別に成果を見ることが重要です。なぜなら、全体を1つのデータとしてみてしまうと正確な分析ができなくなるからです。

あるお客様の場合、主に北米を対象として作成されたページにGoogleディスプレイ広告で集客施策を実施されていました。ディスプレイ広告の配信は以下の通りに設定されていました。

  • キャンペーン対象国:カナダ、米国、メキシコ3か国を纏めて、同じキャンペーンで作成
  • 入札設定:機械学習に基づく、製品詳細ページの閲覧しそうなユーザーを優先

このディスプレイ広告配信設定では、人口が多い、米国内からのユーザーの集客が中心となっていると想定していました。しかし実際には、90%以上がメキシコに表示されていることが判明しました。但し、購入数が多かったのは広告の表示数が少ない米国でした。

ディスプレイ広告の国別集客とCV(製品詳細ページ閲覧と購入数)※数値はダミー値

なぜディスプレイ広告がメキシコのユーザーに集中して配信されてしまったのか?それは、機械学習で製品詳細ページの閲覧を優先にしてしまった結果、入札単価が低いメキシコに表示されてしまったためです。

ところがメキシコでは閲覧数は多いものの、購入は殆ど発生していません。お客様が狙いたいのは製品詳細ページの閲覧数ではなく、購入数の増加です。実際の購入数が多いのは米国なので、米国への広告配信を増やすよう配信調整が必要です。

このように国別に流入と成果の状況を見ることで、「狙ったユーザーに表示できているのか?」を確認することが可能になります。また表示国に偏りがある場合は、国を分けて広告を配信するなど、広告の配信設定の改善が図れます。

ランディングページ分析で抑えたいポイント

国別にランディングページ分析しローカルニーズを把握

マーケターの方は、日本ではどのページに直接流入が多いかご存じなのではないでしょうか?

例えば「国内で製品の知名度が高い場合、製品名で検索され、製品詳細ページの直接流入が多い」「社名の知名度が高い場合は総合TOPページへの流入が多い」などが考えられます。

では、グローバルサイトではどうでしょうか?必ずしも、日本と同じ傾向とは限りません。

例えば、ある客様の場合、Asia Pacific圏向けの英語ページへの流入が増加の傾向にありました。そこで、国別にランディングページを比較してみました。

Asia Pacific圏向け英語ページでの国別ランディングページ ※数値はダミー値

インドからの流入した場合、ランディングページで最も多いのが技術解説ページ(約45%)です。一方で製品関連(製品詳細と製品カテゴリTOP)ページは、技術解説を下回っています。つまり、インドでは技術について調べているユーザーが多く、この企業の製品の知名度がまだ低い初期市場であると推察できます。

一方で、フィリピンと中国では、製品関連(製品詳細と製品カテゴリTOP)ページへの流入が60%程度占めており、製品名や製品に関連する認知が高いようです。また中国の場合、企業情報にも流入が多いので、企業の知名度も高そうです。

このように国別にランディングページを比較することで、ローカルユーザーのニーズの違いが把握できるようになります。そして、国別のニーズに合わせたオンラインマーケティング戦略を立てることが可能になります。

上記のインドの場合、まだ企業や製品の知名度が低いので、アウェアネス獲得を目的とした、ディスプレイ広告出稿の強化や、オンラインセミナーの開催など、検討できるでしょう。

ランディングページ別成果分析によるサイト内導線のボトルネックを確認

ローカルニーズの把握と併せて、各コンバージョンの状況をランディングページ別に確認しましょう。コンバージョン率が低いランディングページは、コンバージョンに至る導線上にボトルネックがある可能性が高いです。

上記のインドの場合、技術解説への流入が多いので、コンバージョン率(製品詳細到達、問合せ、購入、等)が低い場合は、技術解説のページにコンバージョンを設定してるページのリンクを設定することで、ユーザービリティの改善が必要になります。

逆にコンバージョン率が高いページがる場合、そのページの成功要因を成果が悪いページに流用することも考えられます。

最後に

今回はグローバルサイトの流入分析する際の3ポイントとメリットを解説しました。

  • エリアごとに特殊な事情があることを理解する(例:EU、中国)
  • 広告の成果分析は国別に実施すると改善策を見つけやすい
  • LPも国別に分析し、ローカルニーズ把握と動線のボトルネック発見に役立てる

グローバルサイトの分析では、各地域のKPIの変化を追うだけでなく、数値に大きな変化があった場合に原因を深堀調査することが重要です。しかしながら、地域別にKPI値を取得したり深堀分析したりするのが面倒で、苦労されるマーケターの方もいらっしゃるのでないでしょうか。

弊社の解析サービスでは、定期的にKPIレポーティングと深堀調査を行い、分析結果をもとに集客施策やサイトの改善施策を提案しております。改善提案して終わりでなく、数カ月間PDCA伴走しながら、サイトのパフォーマンスアップをサポートするサービスもございますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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斎藤美子

通信キャリアのパートナー営業、オンラインメディアのBtoB営業を経て、2018年にプリンシプルに入社。データ解析コンサルタント。

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