• Webサイトからの問い合わせは増えているが、その後の受注に繋がっているか分からない…
  • オンラインの広告効果と、オフラインの営業活動の成果を、別々に管理していて非効率…

多くの企業が、このような「データの分断」という課題に直面しています。

この記事では、Googleアナリティクス4(GA4)とSalesforce Sales Cloud(Sales Cloud)を連携させることで、オンラインの顧客行動とオフラインの営業活動を一気通貫で可視化し、マーケティング成果を最大化するための具体的な5つのステップを解説します。

※本連携機能の概要について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
GA4とSalesforce Sales Cloudの連携

データ連携の全体像

今回解説するデータ連携の全体像は以下のようになっています。

1. Webサイト → MAツール
訪問者がWebサイトのフォームから問い合わせ

2. MAツール → Sales Cloud:
お問い合わせ情報がMAツール経由でSales Cloudに自動で連携される

3. Sales Cloud → GA4:
Sales Cloudに蓄積された営業活動のデータ(リードの状況や商談結果など)がGA4に連携される

ツール 設定内容 役割
Webサイトのフォーム ユーザーを識別するための非表示項目を追加 オンラインでのユーザー行動を捉える起点
MAツール Sales Cloudとの連携設定 問い合わせ情報を集約し、Sales Cloudへ橋渡し
Sales Cloud データを受け取るための項目(フィールド)を追加 オフラインでの営業活動データを管理
GA4 データインポート設定 オンラインとオフラインのデータを統合・分析
(GTM) ユーザー識別子の取得設定 GA4とSalesforceを繋ぐ「キー」を収集

 

連携を実現する5つのステップ

GA4とSales Cloudの連携は、次の5つのステップで実現できます。

ステップ1:ユーザー識別の「キー」を決める

まず、Webサイトの訪問者とSalesforce上の顧客情報を紐づけるための「キー」となる識別子を決めます。

具体的には、GA4で標準的に使われる「クライアントID」か、より精度高くユーザーを識別できる「ユーザーID」のどちらかを選択します。これは、オンラインとオフラインのデータを繋ぐ非常に重要な設定です。

ステップ2:Sales Cloudにデータを受け取る「箱」を用意する

Sales Cloud側で、GA4から送られてくるデータ(ステップ1で決めたユーザー識別子など)を格納するための「箱」、つまりカスタムフィールドを作成します。

これを「リード」と「商談」オブジェクトにそれぞれ設定することで、営業の進捗に合わせてデータを管理できます。

■設定例

オブジェクト 項目名 データ型 備考
リード GA_USER_PSEUDO_ID テキスト ユーザー識別子を格納
GA_MEASUREMENT_ID テキスト デフォルト値:測定ID(G-XXX)
商談 GA_USER_PSEUDO_ID テキスト ユーザー識別子を格納
GA_MEASUREMENT_ID テキスト デフォルト値:測定ID(G-XXX)

 

ステップ3:Webサイトのフォームから「キー」を送信する設定

Webサイトの問い合わせフォームに、ユーザー識別子(キー)をSales Cloudへ送信するための「非表示の入力項目」を追加します。

訪問者がフォームを送信すると、JavaScriptによってこの非表示項目に自動でユーザー識別子の値が入力され、その情報がSales Cloudに送信されるように設定します。

ステップ4:GA4とSalesforceを「データインポート機能」で連携する

GA4の管理画面から「データインポート」機能を使って、Sales Cloudとの連携を設定します。 まずSalesforceアカウントで認証を行い、そしてGA4に取り込む情報(たとえばリードの状況や商談のフェーズなど)を選択します。

この設定を行う前に、「GA4上でどんな分析をしたいか」をあらかじめ明確にしておくことが、連携を成功させるための重要なポイントです。

ステップ5:連携したデータをGA4のレポートで活用する

Sales Cloudから連携されたリードや商談のステータスは、GA4に「イベント」として記録されます。これらのイベントを「キーイベント(コンバージョン)」として設定することで、広告の費用対効果(ROAS)をより正確に測定できます。さらに、受注に繋がりやすいユーザー層を分析することも可能となり、マーケティング施策の最適化に役立ちます。

まとめ

GA4とSalesforceの連携は、これまで分断されがちだったオンラインでの顧客行動と、オフラインでの営業成果を一気通貫で可視化することを可能にします。

これにより、「どの広告から得たリードが、実際に受注に繋がったのか」といった具体的な分析が可能になり、よりデータに基づいた的確なマーケティング施策を打てるようになります。

初期設定には一定の専門知識が必要ですが、無料版のGA4でも利用できるため、積極的に活用したい強力な連携機能となっています。

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吉田弘毅

2023年よりプリンシプルへ参画。Webサイトのユーザー行動解析や運用型広告におけるデータ設計、実装を担当。

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