GA4の「経路データ探索」レポートを使いこなせていますか?
このレポートは、ユーザーのページ遷移パターンを視覚的に把握できる非常に便利なツールですが、実際に「どのように活用すれば良いのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に、「ユーザーの動きは見えるけれど、それがどんな改善につながるのかが分からない」という悩みはよく耳にします。
そこで本記事では、GA4の経路データ探索レポートを活用するための具体的なテクニックを、わかりやすく解説します。
経路データ探索レポートとは?
経路データ探索レポートは、ユーザーがサイト内でどのページをどの順番で閲覧したのかを可視化するレポートです。このレポートを利用することで、ユーザーの行動パターンを理解し、サイトの改善に繋げるヒントを得ることができます。
経路データ探索レポートを作成するには、GA4の「探索」から「経路データ探索」を選択します。

活用方法1:サイト全体の主導線を把握する
経路データ探索は、サイト全体の主な導線を把握し改善するのに役立ちます。
サイト全体の流入から離脱までの遷移パターンを可視化することで、ユーザーの流れが最適化されているか、改善が必要な部分はどこかを発見できるようになります。
設定方法
- 始点を「session_start」イベントに設定
- 遷移先として「ページタイトル」または「ページパス」を選択
- フィルタでデバイスカテゴリを指定
※右上の「最初からやり直す」をクリックすることで、任意の始点・終点を設定できます。
※モバイルとPCでは、サイト上でリンクやボタンの配置が異なるため、デバイスカテゴリを指定することをおすすめします。

ステップ+1に表示されるページが、セッション開始時に訪問されたページです。
さらに「内訳」にディメンションを設定すれば、国や性別毎のアクセス数を把握することもできます。

活用方法2:特定のページにランディングしたユーザーの行動を分析する
ランディングページ(LP)に訪れたユーザーが、その後どのページに進み、どこで離脱したのかーー。こうした行動の流れを可視化するのに経路データ探索が役立ちます。
LPの成果を改善するヒントを得るためには、ただの数値ではなく“流れ”を見ることが重要です。経路データ探索を使えば、LPの課題や改善余地を直感的に把握できます。
設定方法
- セッションセグメントで「session_startイベント」とパラメータ「page_location」を設定(セッション開始時のページを指定)

- 始点を「session_start」イベントに設定
- 遷移先として「ページタイトル」または「ページパス」を選択
- フィルタでデバイスカテゴリを指定

セグメントでセッション開始ページを指定しているため、ステップ+1は対象のLPのみになります。LP内でユーザーが最も多くクリックしたリンクや想定よりクリックされていないリンクを特定し、導線の改善に活かしましょう。
(注)始点を「session_start」ではなく対象のページとする方法では、そのページにランディングしたユーザーだけでなく、セッションの途中で訪れたユーザーのデータも含まれる点にご注意ください。
活用方法3:特定のページに到達するまでの導線を把握する
「ユーザーが特定のページに到達するまでに、どのような経路をたどってきたのか」を可視化する際に、経路データ探索が効果的です。
とくにカートページや問い合わせフォームなど、成果に直結するページへの導線を分析することで、どこを強化すべきかが見えてきます。導線のボトルネックを特定し、改善策を立てる際に活用したいレポート機能です。
設定方法
- 終点の「ページパス」または「ページタイトル」に対象のページを設定
- フィルタでデバイスカテゴリを指定

重要なページに到達するまでのルートを特定し、「直前によく閲覧されているページで、対象ページへの遷移をさらに促進する方法はないか?」「想定より遷移が発生していないページの導線を改善できないか?」等の検討に繋げましょう。
活用方法4:CVユーザーと非CVユーザーの行動を比較する
コンバージョン(CV)したユーザーと、そうでないユーザーの遷移パターンを比較するには、「経路データ探索」が非常に有効です。
このレポートを活用することで、「CVユーザーがよく通るページ」や「非CVユーザーが離脱しやすいポイント」などを可視化できます。行動の違いをもとに、より成果につながる導線改善に取り組むことが可能になります。
設定方法
- セッションセグメントで「CVが発生したセッション」と「CVが発生しなかったセッション」の2パターンを作成


- レポートにセグメントを適用
- 活用方法1~3のように、見たいデータに応じて始点/終点を設定

セグメント別に行動を比較し、「購入ユーザーの遷移ルートに特徴は無いか?」「非購入ユーザーの行動は購入ユーザーとどう違うか?」等の観点で分析してみましょう。
まとめ
この記事では、GA4の「経路データ探索レポート」の具体的な活用方法をご紹介しました。
このレポートを活用しユーザーの行動を詳細に把握することで、サイト改善のヒントを得られます。上手に活用して、サイトのパフォーマンス向上に役立てましょう!