本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。

広告やメール配信、クーポンなど販促施策を実施する際、「顧客がどんなタイミングでサイトを利用しているか」を把握することで、適切なタイミングで施策を打つことができます。
今回は、顧客のサイト利用タイミングをつかむための、Googleアナリティクスの「曜日×時間帯」データの分析例をご紹介します。「曜日×時間帯」に、デバイス、ユーザー属性など複数の軸を掛け合わせて深堀り分析を行っていきたいと思います。

*今回の分析には、BIツールのTableauを使用しました。対象サイトは架空のチケット販売サイトの直近3ヶ月分のGoogleアナリティクスデータとし、本記事用に作成したサンプルデータを使用しています。

1)まずは「曜日×時間帯」をデバイス別に確認

曜日×時間帯のデータを見るときは、desktopとmobileで利用タイミングが異なることが多いので、デバイス別にデータを確認します。まずは曜日×時間帯ごとの、セッション数とコンバージョン率をクロス集計表で見てみましょう。セッション数は、各曜日ごとの日数をならすため、対象期間の日数で割って「1日あたりのセッション数」で出しています。

曜日×時間帯別

desktopとmobileでサイト利用タイミングの傾向が異なっています。desktopは平日の昼間、mobileは夜の時間帯にサイト利用が活発で、コンバージョン率も高い傾向がありそうです。

2)平日/休日別に確認

また、一般的に平日と休日で傾向が分かれることが多いので、曜日をグルーピングするとより傾向がつかみやすくなります。

平日/休日×時間帯別

desktopは平日9~18時のオフィスアワーに、mobileは平日、休日問わず、夜20~23時に流入が多く、コンバージョン率が高い傾向があります。
時間帯から、desktopは会社のPCからのビジネス利用が多いことが推測されます。
またmobileは夜の時間帯にプライベートの目的での利用が活発になる傾向がありそうです。

3)利用タイミングに「ユーザー属性」を掛け合わせ

さらに、同じデータを性別で分けて見てみましょう。

平日/休日×時間帯×性別

平日オフィスアワー×desktopは主に男性のビジネス利用が主体のようです。

一方で、プライベートの利用が主に想定されるmobileは女性の利用が多いですが、コンバージョン率は全体的に男性のほうが高い傾向が見られます。

4)流入時の直帰率、平均ページビュー数等をさらに細かく

平日オフィスアワーのdesktopのアクセスについて、性別×年齢別にセッション数とコンバージョン率で散布図にしました。

やはり、男性の働く世代でセッション数が多く、コンバージョン率が高い傾向が見て取れます。

まとめ

ここまでの分析をとおして、デバイスごとにタイミングによって、利用ユーザー像(利用ニーズ)が異なっていることが分かりました。より成果につながりやすいタイミングに広告を出せるように入札単価の調整を行ったり、デバイス×時間帯によって異なる利用ユーザー像を意識して、広告やキャンペーン、メルマガなどの内容を最適化していくとよいでしょう。

一点補足となりますが、今回は、Googleアナリティクスのユーザー属性データを利用しましたが、このデータは「そのユーザーが普段どのサイトを見ているのか」のデータをもとにユーザーの年齢・性別を推定したものとなります。
会員IDをGoogleアナリティクスのカスタムディメンションに取り込みCRMと統合し、CRM側のユーザー属性データを利用したほうが、より正しい年齢・性別ごとの傾向が確認できると思います。
また、CRM側のデータと統合するのであれば、会員種別、CV回数(新規顧客かリピート顧客か)といったデータとGoogleアナリティクスのアクセスデータを付け合わせて分析することでも、これまで気が付かなかったインサイトが得られそうですね。

プリンシプルでは、主にGoogle アナリティクスのデータ分析を支援していますが、対象のデータとしては、ウェブマーケティングデータのほか、CRMや実店舗利用データなどオフラインデータとの統合分析の実績もございます。ご興味を持たれた方はinfo@principle-c.comからお気軽にお問い合わせください。

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村松沙和子

2014年より株式会社プリンシプルに在席し、BtoB、BtoC 合わせて100社以上の解析プロジェクトを経験。Googleアナリティクス、CRMデータなどの定量分析に加え、ユーザーテストなどの定性調査を組み合わせて現状課題を分析、クライアントのマーケティング改善提案、施策実行の伴走を行う。

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