SEO(=検索エンジン最適化)はよく聞くワードだと思いますが、近年、SXO(=検索体験最適化)が注目されていることはご存知でしょうか?
本ブログでは、SXOに対するGoogleやBingの取り組みと、SXO向上のためのGA4活用について解説していきます。
SXOとは?
SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジン最適化ですが、SXO(Search Experience Optimization)はそれを更に強化したユーザーの検索体験最適化のことです。少し噛み砕くと、検索開始からサイト到達までに留まらず、到達したサイトでユーザーに満足してもらうことが重要という考え方です。
Googleはすでにユーザー体験につながる指標を検索アルゴリズムに取り入れていますが、現在はCWVやモバイルユーザビリティなど比較的わかりやすい指標のみとなっています。一方で、最近の検索結果画面の多様化から見るに、Googleはそれ以外での検索体験最適化(SXO)を行っていると感じます。
最近 TikTokで話題の「アニメダンス」のクエリで見てみると、「アニメダンスとは」という検索クエリではアニメダンスについての説明ページが上位に表示されているのに対し、「アニメダンス」という検索クエリの場合、大きな動画と関連動画が表示されています。
Googleが検索キーワードの違いによってユーザーニーズを把握し、検索結果を変化させていることがわかります。
SXOに対するGoogleやBingの取り組み
Googleコアアップデートの目標はユーザーエンゲージメント向上
Google検索担当副社長 Hyung-Jin Kim氏もSMX Nextで「Googleコアアップデートはウェブ全体の品質向上を目標としている」と名言しています。つまり、Googleの目標はユーザーの検索体験の質を向上させることであるということです。
参照:7 takeaways from the SMX Next keynote with Hyung-Jin Kim, VP Search at Google
※現状では、Googleはユーザーエンゲージメントをアルゴリズムに組み込むことについては明確にしていません。
Bingはすでにユーザーエンゲージメントを検索アルゴリズムに利用している
Bingは検索アルゴリズムにユーザーエンゲージメントを利用するとガイドラインに記載しています。
翻訳すると、
「ユーザーエンゲージメント:Bingは、ユーザーが検索結果とどのように関わっているかについても考慮します。ユーザーエンゲージメントを判断するために、Bingは次のような質問をします。あるクエリに対して、ユーザーは検索結果をクリックしたか、またクリックした場合はどの結果か?ユーザーはクリックした検索結果に時間を費やしたか、それともすぐにBingに戻ったか?ユーザーはクエリを調整または修正したか?Bingウェブマスター・ダッシュボードでは、ユーザーがお客様のウェブページとどのようにやり取りしているかについての洞察を得ることができます。」
となり、ユーザーが検索時にどのような行動を取り、その検索結果に満足しているのかという「検索体験」まで評価されていることがわかります。
ユーザーの検索体験と検索順位の関係
プリンシプルのデータを用いて、ユーザーあたりのセッション数とGoogle検索の順位を散布図にしてみました。
BtoB向けサイトなどではさまざまなサイトで比較をするために、何度かサイトを行き来することがあるかと思いますが、順位が高いページの方がユーザーあたりのセッション数が多い(=再訪率が高い)ことがわかります。
このことからも、ユーザーの検索体験が検索順位に影響する可能性があることが推察できます。
SXO向上のためのGA4活用
GA4はユーザーエンゲージメント向上に最適なツール
UAではPVを計測の軸にしていましたが、GA4ではユーザーを軸とした計測に変わりました。
UAでは、基本的にサイトに訪れてからCV到達までを「ページ遷移」で見ていました。しかし、昨今のユーザーはPCとモバイル両方で検索したり、バタフライサーキット(行ったり来たりを繰り返す)など、様々な検索行動をするようになり、UAの分析手法とは合わなくなってきたのです。そこで登場したのがGA4なのです。
たとえば「PCで検索した後スマートフォン等の別デバイスで再検索」した場合、UAではそれぞれ別のユーザーとしてカウントされますが、GA4では同一ユーザーとしてカウントされます。ユーザー単位で計測できるので、GA4はSXO向上に適していると言えます。
GA4とUAのSearch Console連携レポートの違い
計測軸の違いは、Search Console連携レポートにも反映されています。UAでは、直帰率やページ/セッション、コンバージョンなどの項目は見ることができましたが、ユーザー数を見ることはできませんでした。つまり、ランディングページごとに何人のユーザーにリーチできたのかわからなかったのです。
GA4のSearch Console連携レポートはそういった情報も見えるようになりました。
GA4のSearch Console連携レポートで見られる指標
GA4のGoogleオーガニック検索レポートでは、URLごとのクリック数や平均順位の他、GA4の情報であるユーザー数、エンゲージのあったセッション数、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間を確認することができます。
イベントでコンバージョンイベントを選択すれば、コンバージョン数を見ることも可能です。
GA4のSearch Console連携レポートの活用例
一例となりますが、以下のような分析をすることによって、サイトの改善に生かすことができます。
- コンバージョンを獲得しているランディングページはどこか
- よく見られているページ(滞在時間が長い)はどこか
- 直帰が多い(=エンゲージメント率が低い)ランディングページはどこか
- 何人のユーザーにリーチできているのか
→同じ人が検索しているのか、たくさんの人に検索されているのか
GA4のSearch Console連携レポート作成方法
ここまで見てきて、GA4のSearch Console連携レポートを見てみたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし連携レポートはGA4とSearch Consoleを連携しただけでは見ることができません。
以下の手順でレポートを表示することができます。
手順1:GA4とSearch Consoleを連携する
GA4とSearch Consoleの連携については公式ヘルプをご確認ください。
[GA4] Search Console との統合
手順2:左メニュー ①「レポート」 → ②「ライブラリ」 → ③「新しいコレクションを作成」 から連携レポートを作成する
※GA4の管理者または編集者権限が必要です。
最後に
本ブログでは、SXOの重要さとSXO向上のためのGA4のSearch Consoleレポートの活用方法について解説しました。以下の2点はぜひ押さえていただければと思います。
- GoogleやBingがユーザーエンゲージメントを重要視している
- ユーザーのためにユーザー軸で考えることが大事
Googleの検索結果画面はAIの発達によってどんどん進化しており、SEOはより複雑になってきました。 プリンシプルではSXOからテクニカルSEOまで幅広く対応しておりますので、「SXO対策してみたい」「SEOで訪問は増えたけどCVが上がらない」など、SEOでお悩みがあればぜひ一度ご相談ください。