はじめに

日本では、最新トレンドや関心のあるトピックを深掘りしたいというニーズが高まっており、ハッシュタグがその手段としてよく使われています。

Googleはこのニーズに応えるため、ハッシュタグ検索機能を日本で追加しました。Google Japan Blogの製品アップデートページ『Google 検索の便利な新機能のご紹介 : より正確な天気予報とハッシュタグで検索可能に』にて機能のリリースがアナウンスされています。

この記事ではハッシュタグ検索の概要や機能に関する調査結果に加え、ハッシュタグ検索を活用する3つのアイデアを共有します(Google公式による情報提供は限られているため、実際にハッシュタグ検索機能を操作して発見した内容を基にアイデアを考えています)。

Googleハッシュタグ検索とは

Googleハッシュタグ検索とは、Googleの検索エンジンでハッシュタグ(#)付きのキーワードを検索すると、検索したハッシュタグを含むSNS投稿やYouTube動画、オンライン雑誌やブログコンテンツ等を検索結果に表示させる機能です。

ハッシュタグ検索を使うと、複数の媒体から最新のコンテンツが表示されるため、トレンドの情報を効率的に収集できます。

実際にハッシュタグ(#)付きのキーワードを検索すると、「ハッシュタグ付きの検索結果」という専用の検索結果画面に、検索したハッシュタグを含むコンテンツが表示されます(下図)。

#GA4検索で#GA4を含むWebコンテンツが表示されている様子

ハッシュタグ(#)を含めないキーワードの検索でも、検索結果画面に「#〇〇を含む投稿」という専用のブロックが表示されることもあります(下図)。

#GA4を含む投稿という専用のブロックに#GA4を含むWebコンテンツが表示されている様子

Googleハッシュタグ検索で表示されるコンテンツの種類や最新性についての調査結果

調査1. ハッシュタグ検索で表示されるコンテンツの種類

調査方法

  • 日時:2024年8月1日 午前9:00~9:30
  • 検索キーワード:「#SEO」「#スニーカー」「#半導体」
  • 内容:「ハッシュタグ付きの検索結果」専用の検索結果画面において、各キーワード3ページ目までの30コンテンツずつ、計90個のコンテンツの種類をリストアップ

調査結果

ハッシュタグ検索で表示された90個のコンテンツの種類の内訳の表

X(Twitter)、YouTube、Instagram、FacebookのようなSNSのほか、個人や企業のブログ記事、日本経済新聞のようなニュース記事も表示されました。

また、限られた3つのキーワードでの調査の結果ですが、表示されたSNS媒体について、90コンテンツのうち、X(Twitter)が26コンテンツ、YouTubeが25コンテンツと数に偏りが見られました。

調査2. ハッシュタグ検索で表示されるコンテンツの最新性

調査方法

  • 日時:2024年8月1日 午前9:00~9:30
  • 検索キーワード:「#SEO」「#スニーカー」「#半導体」
  • 内容:各キーワード3ページ目までの30コンテンツずつ、計90個のコンテンツの公開日をリストアップ

調査結果

ハッシュタグ検索で表示された90個のコンテンツの公開日の分布(ヒストグラム)

午前9:00~9:30の時点で、当日公開されたコンテンツが17個、前日に公開されたコンテンツが33個、2日前のコンテンツが12個、3日前のコンテンツが6個でした。

ここから、公開日が新しいほど多く表示されていることが考えられます(午前中の調査だったため、当日のコンテンツ数が前日よりも少なかった可能性も考えられます)。

Googleハッシュタグ検索で表示されるコンテンツの種類や最新性についての調査結果まとめと考察

媒体の種類については、SNS、ブログ記事、ニュース記事等幅広く表示され、とくにX(Twitter)やYouTubeが多く表示されました。最新性については、公開日が新しいコンテンツほど多く表示されました。

以上を踏まえると、とくにX(Twitter)やYouTubeのコンテンツを高頻度で公開しているユーザーにとって、Googleハッシュタグ検索を意識した運用は有利に働くと考えられます。

Googleハッシュタグ検索活用の戦略

Googleハッシュタグ検索を活用すべき媒体と実装方法

SNSの投稿はもちろん、ブログ記事にもハッシュタグを含めましょう。ブログ記事にハッシュタグを含める場合は、記事の大見出し(H1タグ)、大見出しの下部、または記事の下部等にハッシュタグを付けることで対策しましょう。

ブログ記事のハッシュタグを付ける位置や方法については、 2024年8月1日「SEO」での検索で表示された検索結果画面の専用ブロックのコンテンツを参考にしました。

▼大見出し(H1タグ)にハッシュタグを付けている例

大見出し(H1タグ)にハッシュタグを付けている例_サンケイスポーツ

【大規模サイト・データベース型SEO】SEO業界トップクラスのSEO専門会社アドマノが「東京SEOメーカー」で大規模サイト・データベース型SEOのサービスを7月30日新規公開! #SEO #SEO対策 – サンスポ

▼大見出し(H1)下にテキスト要素でハッシュタグを付けている例

大見出し(H1)下にテキスト要素でハッシュタグを付けている例PR TIMES STORY

業界でも珍しい【コンテンツSEO】に特化したマーケティングスクールを通して、中小企業の「マーケティングスキル向上」、「活動のインハウス化」を目指す。| PR TIMES STORY

▼記事の下部にテキスト要素でハッシュタグを付けている例

alt:記事の下部にテキスト要素でハッシュタグを付けている例_海外SEO情報ブログ

多言語SEOの課題とベストプラクティス: hreflang, ccTLD, x-default, LDCP | 海外SEO情報ブログ

Googleハッシュタグ検索活用の戦略の方向性

ハッシュタグ検索は新しい機能であるため、マーケターではない一般のユーザーには認知されておらず、#を付けての検索はまだ普及していない可能性が考えられます。

一方、「#」を付けないキーワードでの検索結果画面の「#〇〇を含む投稿」の専用ブロックや専用ブロック内の青字の「#〇〇を含む投稿 >」をクリックして、専用の検索結果画面が閲覧される可能性はあります。

専用ブロックや専用の検索結果画面に表示されるためには、まずコンテンツに該当するキーワードの#を含める必要があります。#を含めたうえで上位表示させる方法は、調査時点では情報の新しさ以外不明です。まずは漏れなくターゲットキーワードの#を含め、幅広いキーワードの対策をすることを戦略として意識するとよいでしょう。

Googleハッシュタグ検索活用の3つのアイデア

漏れなくターゲットキーワードの#を含め、専用ブロックや専用の検索結果画面への表示を狙うためのアイデアとして、以下の3つを共有します。

  • アイデア1:分解した単語も併用する
  • アイデア2:日本語と英語を併用する
  • アイデア3:効果的に#に含めるキーワードを選定する

アイデア1:分解した単語も併用する

複数の単語の掛け合わせからできるキーワードは、分解した個々の単語にも検索ボリュームがある場合、各単語のハッシュタグも含め、複数の単語での表示を狙うことを推奨します。

たとえば、#厚底スニーカー(110,000)に加え、#厚底(14,800)や#スニーカー(368,000)も含めることで各キーワードでの対策が可能です。※括弧内の数字は、キーワードプランナーで取得した2023年8月~2024年7月期間における検索ボリュームの月間平均

アイデア2:日本語と英語を併用する

日本語の検索では、日本語の#を含むコンテンツが表示され、英語の検索では、英語の#を含むコンテンツが表示されます。日本語、英語ともに検索ボリュームがある場合は併用し、両方のキーワードでの表示を狙うことを推奨します。

たとえば、#スニーカー(368,000)に加え、#sneakers(12,100)も含めることで、各キーワードでの対策が可能です。※括弧内の数字は、キーワードプランナーで取得した2023年8月~2024年7月期間における検索ボリュームの月間平均

アイデア3:効果的に#に含めるキーワードを選定する

分解(アイデア1)や併用(アイデア2)によりハッシュタグの個数が多くなることが考えられます。個数が多くなると、SNSによってはハッシュタグの推奨個数をオーバーしたり、ブログ記事は見栄えが悪くなる等のデメリットが考えられます。

SNSのハッシュタグ推奨個数について、たとえば、「X(Twitter)は2個まで」のような推奨があります。

ツイートには好きなだけハッシュタグを使えますが、1つのツイートに使うハッシュタグは2つまでにすることをおすすめします。

引用元: ハッシュタグの使用方法 | Xヘルプセンター

また、ブログ記事のハッシュタグの個数については、公式情報で明文化されていません。「SEO」「スニーカー」「半導体」検索で専用ブロックに表示された11個のブログ記事のハッシュタグの個数は、2~12個、平均5個となりました。目安の個数として参考になればと思います。

効果的に#に含めるキーワードを選定し、個数を減らすためのポイントは以下の3つが考えられます。

選定ポイント1:英語の大文字と小文字のパターンは1パターンのみ選定する

たとえば、「#AMAZON」「#Amazon」「#amazon」ではそれぞれまったく同じ検索結果が表示されるため、それぞれ含めるのではなく、1パターンのみ選定しましょう。

選定ポイント2:検索ボリュームが大きいキーワードを選定する

たとえば、厚底スニーカーは月間平均検索ボリュームが111,000ありますが、英語のplatformsneakerは10しかありません。検索ボリュームの大小を確認した上で、選定しましょう。

選定ポイント3:検索結果画面に「#〇〇を含む投稿」の専用ブロックが表示されるキーワードを選定する

たとえば、「スニーカー」や「sneakers」では専用ブロックが表示されますが、「sneaker」(sなし)では表示されません。表示の有無を確認し、選定しましょう。 ※専用ブロックの表示の有無について、日によってされたりされなかったりするキーワードがあります。SNSの投稿前やブログ記事の公開前に表示の有無をチェックしてみるとよいでしょう。

活用アイデアのおさらい:本記事のハッシュタグ選定で実践

本ブログに含めるハッシュタグの選定を通じて、Googleハッシュタグ検索活用のアイデアをおさらいしましょう。

まずはこのブログ記事に関わるキーワードを洗い出します。たとえば、「Googleハッシュタグ検索」「SEOハッシュタグ」「SNSハッシュタグ活用」「SNS投稿ハッシュタグ」「ハッシュタグ活用アイデア」「SEO最新情報」「SEOトレンド」「Google新機能」「SEO」「ブログ活用」「ハッシュタグブログ対策」「ブログハッシュタグつけ方」「SNS集客」「ブログ集客」「Web集客」等が考えられます。

続いて、分解したキーワードとの併用(アイデア1)を考えてみましょう。たとえば、「Google」「ハッシュタグ検索」「ハッシュタグ」「SNSハッシュタグ」「SNS」「ハッシュタグ活用」「ブログ」「ブログハッシュタグ」のようなキーワードとの併用も考えます。

続いて、日本語と英語の併用(アイデア2)を考えてみましょう。たとえば、「hashtag」(ハッシュタグ)、「seotrends」(SEOトレンド)、「socialmedia」(SNS)、「blog」(ブログ)との併用も考えます。

最後に、効果的なキーワードを選定(アイデア3)しましょう。大文字と小文字のパターンは複数使用せず、キーワードプランナーの月間平均検索ボリュームがないものは除外し、検索結果画面に「#〇〇を含む投稿」の専用ブロックが表示されるキーワードを調べると以下のキーワードが残りました。

「SNS」「SEO」「ハッシュタグ」「socialmedia」「hashtag」「sns集客」「web集客」「ブログ集客」

これらのキーワードを選定し、ブログの下部に含めることにします。

まとめ:アップデートに対応してコンテンツをより多くの人に届けよう

本ブログでは、新しく導入されたGoogleハッシュタグ検索について、調査結果を基に活用のアイデアを共有しました。

SNS投稿やブログ記事作成には非常に労力がかかるかと思います。せっかく作成したコンテンツですから、今回ご紹介したハッシュタグ活用のアイデアを利用して、より多くの人に届けることができれば幸いです。

ハッシュタグ検索機能のように、Googleの検索結果画面の機能や見た目は頻繁にアップデートされています。アップデートをチャンスと捉え、しっかりと対応することで、より多くの露出やユーザー獲得を目指しましょう。

#SNS #SEO #ハッシュタグ #socialmedia #hashtag #sns集客 #web集客 #ブログ集客

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小林哲士

SEOコンサルタント。コンサルティングセールスを経験後、SEOチームへ。B2B、B2Cなど幅広い領域の案件に携わる。海外企業のSEO支援も担当。

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