BtoBマーケティングの広告配信としてポピュラーな媒体はFacebook広告ですが、要件や目的によってはLinkedIn広告との親和性が高いことをご存じでしょうか。熟練マーケターの皆さんでも活用頻度が少ないことも珍しくないLinkedIn広告ですが、実はBtoBマーケティングで大きな成果を上げるポテンシャルの高い媒体です。

LinkedIn広告の主要機能、特徴、活用イメージ、配信する際のポイントなどを徹底解説します。

記事の内容

  • LinkedIn広告の特徴
  • LinkedIn広告とFacebook広告の比較
  • LinkedIn広告の機能
  • 海外に強いLinkedIn広告
  • LinkedIn広告配信のポイント
  • LinkedIn広告配信事例

BtoBマーケティングに強いLinkedIn広告の特徴

LinkedInの登録ユーザーはビジネスユースで経営層中心

LinkedIn広告が圧倒的にBtoB向いている理由は、まずビジネスユースで活用する前提のプラットフォームであること。また登録ユーザーが経営者や役員などのハイレイヤーの決裁権者が多いのが特徴です。

またLinkedInは「ユーザー自身がこの会社に在籍している」「過去こういった業務を経験している」と登録して、それをもとに転職活動やコミュニケーションを行うのでBtoB上の精緻な情報が集約されたプラットフォームと言えます。

LinkedIn広告ではBtoBに即したセグメントが可能

今所属する会社名と役職だけではなく、精緻な職歴、培った経験、資格など、ビジネスヒストリー全体がデータ化されているので、高精度なターゲティングによるBtoBアプローチが可能です。

ネットリテラシーが高いユーザーが多い

登録ユーザーがインテリジェンス業種の経営者、役員などハイレイヤーが多いことから、一般媒体よりも全般的にネットリテラシーが高く、デジタルマーケティングのアプローチが届きやすいメリットがあります。

海外の国によっては圧倒的にLinkedInユーザーが多い

LinkedInは日本では意識の高いビジネスマンユーザーが多いイメージですが、海外の特定の国ではFacebookより登録者数も多くポピュラーなプラットフォーム。Facebookよりも優先度が高い媒体と認識されている国もあります。ターゲットとする国によっては、コストパフォーマンス良く成果を上げることも可能。インバウンド、アウトバウンド向けの商材・サービス、ブランド認知を目的とするならLinkedIn広告の効果が期待できます。

エンドユーザー向けではないのでBtoCは向かない

LinkedInはビジネスユースのプラットフォームであることから、BtoCビジネスには不向きと言えるでしょう。一般向けの商材・サービスは登録ユーザーや情報取得目的とアンマッチなので、別の媒体による広告配信が向いています。

日本国内は単価は高くなるがBtoBの精度は期待できる

日本国内のLinkedIn登録ユーザーは少なく単価は高くなってしまう傾向ですが、母数は少なくとも「役職別」など厳選されたセグメントで精緻なBtoBターゲットにアプローチできるので、Facebookなど他の広告媒体で伸び悩んだ時に活用することで成果が期待できます。

LinkedIn広告とFB広告の比較とメリット

日本国内では登録ユーザーが多いことから、FacebookはBtoBマーケティングの広告配信でも重宝されています。Facebookと比較した際のLinkedIn広告のメリット、優位性を見てみましょう。

Facebookも所属企業名、職種、肩書、学歴などがユーザー自身で登録されていることから、オフィシャルな属性のセグメントがしやすい媒体としてBtoBマーケティングで活用されています。Facebook広告はターゲティングの精度も高く、登録ユーザーの母数も大きいのですが、中にはプライベートとして活用しているユーザーも多くいます。ビジネス系の情報収集を目的とするユーザーもいますが、プライベートの友人とのやりとりや投稿を目的とする層も多く、結果的に母数に対しての精度は下がる傾向です。

一方、LinkedInはオフィシャル用途のプラットフォームなので、ユーザー登録数こそ少ないものの高いターゲティング精度での広告配信が期待できます。

LinkedIn広告の機能

LinkedInのキャンペーン目的としては下記が代表的です。

  • ブランド認知
  • webサイト訪問
  • 動画視聴
  • リード獲得
  • 求人

フレキシブルなフォーマット

LinkedIn広告は、配信フォーマットもフレキシブルで使いやすいのが特徴。シングル画像、カルーセル、動画広告、テキスト、求人広告、フォロワー獲得など目的に応じてフォーマットを選ぶことが可能です。

ダイナミックアドとスポンサードコンテンツ

LinkedIn広告には「ダイナミックアド」と「スポンサードコンテンツ」という広告の配信手法があります。「ダイナミックアド」は主にPC向けでスマホには配信されず、フォロワー獲得用のフォーマットで直接広告からフォロー可能です。「スポンサードコンテンツ」は広告から直接フォローすることができないため、フォロワー獲得単価が高くなってしまうといった掲載フォーマットの違いがあり、フォロワー獲得であればダイナミックアドが適しています。
フォロワー獲得なら「ダイナミックアド」、購入、問い合わせなどのアクションを促すなら汎用性の高い「スポンサードコンテンツ」というように目的に応じて広告フォーマットを選定します。

精緻なセグメント機能

ビジネスユースのピンポイントなセグメントができるのもLinkedIn広告の特徴です。「マネージャー」「シニアマネージャー」といった役職の指定、言語設定、IPアドレスでのセグメントも可能です。

海外に強いLinkedIn広告・相性のいい国は?

LinkedIn広告は海外マーケティング、インバウンド、アウトバウンドに強いと既に述べましたが、具体的にどの国が向いているのでしょうか。

必然的にLinkedInのユーザー登録数が多い国は単価が抑えられ、ユーザーが少ない国は単価か高くなります。その中で日本とシンガポールは単価が高く苦戦すると言われています。

比較的登録数が多いのは、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ、またタイ、ベトナムなどの東南アジアです。特にインド、ブラジルはLinkedInの登録者数が多く比較的フォロワー獲得単価が安い傾向にあリます。自社の商圏やブランド認知をしたい国とマッチするとLinkedIn広告は有効的です。

LinkedIn広告配信のポイント

適切なクリエイティブは?

LinkedIn広告ではクリエイティブの本数をあまり多くするのは媒体上そぐわないとされ、4、5本が適正とされています。また1〜2週間で切り替えることを推奨。他の広告媒体と同様にクリエイティブを多くやると、数値が分散するので厳選してPDCAを回します。

また特に海外向けの場合、その国の言語で配信するのはもちろん、海外のセンシティブな表現に触れないことも大前提。コンプライアンスも含めた海外向けのクリエイティブチェックの期間を確保することも大事です。

海外向けブランディング展開でのポイント

LinkedIn広告は国によって効果や獲得単価が異なりますので、まずどこの国に向けるのかを吟味します。ブランディングはどれだけフォロワー獲得できるかが肝なので、予算を消化してセグメントを行い自動最適化をかけることをおすすめします。予算が限られていたり、配信期間が限られている場合は難しいですが、ある程度は初期費用をかけることで精度を高められます。

遷移先のコンテンツは各国に最適化

LinkedIn広告で対象国の言語でのクリエイティブを行っても遷移先のコンテンツが最適化されていないと成果は下がってしまいます。インドに向けた広告であれば、無難なサービス案内があるよりも、インドのユーザーに向けたコンテンツを用意した方がもちろんフォロワー獲得につながりやすくなるでしょう。

LinkedIn広告配信活用法

グローバルなメーカー様などの場合は、海外でのサービス認知を広めるための足元作りとしてLinkedInでフォロワーを増やす施策は有効と考えます。動画広告とシングル画像広告を実施してフォロワー獲得を目指すのも良いでしょう。

またクライアントの提供動画をそのまま配信するのではなく、少し加工して動画の冒頭やラストに「フォローお願いします」といった文言入れると成果は上がりやすい傾向にあります。

クリエイティブはターゲットとなる国に向けた言語にするのはもちろん、遷移先のコンテンツもローカリゼーションを適用してその国にフォーカスするとフォロー率にもつながりやすいでしょう。

まとめ

LinkedIn広告は、Google広告などに慣れている方なら配信は難しくありません。海外に配信する際も設定が難しいわけではないので、その国のクリエイティブが作れればすぐに始められます。海外のLinkedInユーザーが多い国ならば活用しない手はないので、ぜひ活用をおすすめします。

日本国内では単価が高くなる傾向にありますがターゲティング精度は高いのでBtoBマーケティング媒体のバリエーションが少ない中、数少ない有用な広告媒体と言えます。特にFacebook広告との併用でプラスアルファの成果を上げるケースも見られます。

もしLinkedIn広告が気になっておりましたら、実績や成功例を豊富に持つプリンシプルにご相談ください。まずはトライアルからでも配信してみることをおすすめします。

 

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海川大翼

広告コンサルタント。WEB広告のコンサルティング会社を経て、2020年9月にプリンシプルに入社。

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