はじめまして。プリンシプル広告チームのTです。

2021年1月に入社するまで、広告代理店にてアフィリエイト広告のコンサルティングに12年半従事していました。

運用型広告については、プリンシプルでも精鋭の先輩たちが多くの最新情報を発信しております。一方で、アフィリエイト広告がデジタルマーケティングに欠かせない獲得源になっている広告主様もいらっしゃるかと思います。

この記事では私の自己紹介を兼ね、最新のアフィリエイト市場の動向をまとめてみたいと思います。複数の手法の特徴を改めて整理することで、デジタルマーケティングの方針の振り返りの一助となれば幸いです。

アフィリエイト市場規模と成長の理由

矢野総研の調査では、2020年度の国内アフィリエイト市場規模は、前年度比5.2%増見込み(3,258億円)と発表されています。なお、2019年度は前年度比の8.0%増と、少しずつながら毎年成長を続けています。

背景としては、下記が挙げられます。

  • 費用対効果の面で低リスクなアフィリエイト広告への予算シフト
  • スマートフォン経由での商品、サービス売上増によるEC分野の拡大
  • 新たな市場のトレンド拡大 – 金融分野における仮想通貨やロボアドバイザー、サブスクリプションモデルでのVODや漫画など

私自身の所感としても、アフィリエイトで一定比率の獲得を得ている広告主様は、ビジネスの成長のためにこの獲得チャネルを重視し、よりCVの積み増しを期待していました。

理由は以下の2つです。

  • 費用対効果が安定しているから
  • 第三者視点での情報発信が可能だから

費用対効果が安定しているから

アフィリエイト広告は成果報酬型の課金形式であるため、CPAが広告主様の事業の利益構造にフィットした形で固定可能です。さらに、オンラインでのCVポイントの先(資料請求後の購入や来点予約後の契約など)をCVリストと共に共有頂ければ、ROAS観点での効果検証や予算再配分も可能です。

第三者視点での情報発信が可能だから

運用型広告は発信者が「広告主様」であることに対し、アフィリエイト広告の発信者は「媒体」です。(掲載の形式によっては、その限りではありませんが…)

媒体が自社のユーザーに対し、自信を持って勧められると判断した情報を発信することで、客観的に商材やサービスを比較検討しているユーザーは有益な情報を得ることになります。

例えば、金利や手数料が複雑な条件で設定された様々な定期預金の中から、自分に最適な商品を選びたい時、銀行の公式情報を自身で一覧化するのは面倒な作業です。そうしたユーザーに納得して選んでもらうことで、運用型広告だけでは得られない層からの獲得の増加、LTVの向上が期待できます。

「でも、媒体は広告主からもらうお金で順位を決めてるんじゃないの?」というご意見をたくさん頂きます。もちろん、そういった要素も判断材料の1つであることは否定しません。

ただし、ユーザーを無視し、媒体社の都合だけで構成した記事は、人目に触れづらくなってきており、獲得が取れない=媒体社の期待する利益は得られなくなってきている状況があります。(詳しくは後述します。)

アフィリエイト媒体に起きていること

では、この成長を下支えしているアフィリエイト媒体の動向はどうでしょうか。

ITPによるクッキー制限

運用型広告と同様、アフィリエイトもCVを計測するためにはクッキーの技術が必須です。しかしながら、Apple社によるITPの実施・アップデートに対応するために、アフィリエイト配信事業者は計測システムの更新を繰り返しています。

計測の取りこぼしを防ぐために、広告主による迅速な対応が期待されています。

Google SEOのアップデート

2016年に界隈を騒がせた「WELQ問題」。一部のキュレーションメディアが根拠の低い医療情報を集約・発信していた問題です。ユーザーの生命に関わる重要なトピックスであるにも関わらず、監修が不十分なまま情報発信が行われた社会的責任は大きく、いくつかの媒体が閉鎖する結果となりました。

なおかつ、信頼性の低い情報がGoogle検索で上位に表示されていたことから、アルゴリズムに対する疑念が発生し、問題が飛び火。最終的には、Googleによるアルゴリズムの大幅な変更に至りました。

アルゴリズムアップデートはアフィリエイト媒体の運営方針にも大きな影響を与えました。しかし「ユーザー目線での情報発信」という大原則に則ることで、良質な記事を発信し続けている媒体は今も多数存在します。

法整備による訴求内容の厳格化

法整備による広告表現の規制は年々厳しくなっており、これは運用型広告もアフィリエイト広告も同じ状況かと思います。特にアフィリエイト広告では、主に景表法もしくは薬機法の観点で問題のある記事が散見され、それに伴い、国による指導や違反認定が増えてきています。

昨年は、医薬品として承認されていないサプリメントについて、疾患予防効果を謳ったアフィリエイト記事を巡り、広告主から広告代理店、制作会社に至る関係者の逮捕にまで至った事例があり、世間の注目を集めました。

景表法は販売事業者、すなわち広告主を規制の対象とします。一方、上記の事例で適用された薬機法は規制対象がより広範囲とされています。従来、多くが景表法違反を指摘されるケースが多かったところ、薬機法に基づき代理店にまで逮捕者が及んだ点がポイントです。

法に則り、信頼に足る情報を適切に発信する必要性は言うまでもありません。一部のモラルの低い関係者の行為が大きくクローズアップされ、業界全体のイメージの低下、自浄作用によらない他者からの懲罰厳格化は、アフィリエイト業界に少なくないインパクトを与えています。

まとめ

決して順風満帆とは言えないアフィリエイト業界ですが、使い方によっては、見込み顧客とのタッチポイントとして有益な面も持ち合わせていると言えます。

アフィリエイト広告のメリットは以下です。

  • ユーザーが意思決定するにあたり、第三者の意見を必要とする場合の後押しになる
  • 安定したCPAで獲得のベースを作り、LTV観点での分析も可能

新年度に向け、各デジタルマーケティング施策の見直しを行われている企業様も多いかと思います。改めて目的や現状を振り返り、適切な戦術・戦略の策定をご検討いただくきっかけになれば幸いです。

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広告代理店2社にて、アフィリエイトコンサルティングを12年半経験。2021年1月より、プリンシプルで運用型広告のコンサルティングに従事。