本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。

こんにちは、Tableau Pioneering Jediの木田です。先週金曜日にプリンシプルの社会的意義/意味は何か?というワークショップを社員全員で行いました。
様々な意見がでましたが、Jediでもある私個人としては、「データの先にあるヒトをよりよく理解するを通じて、そのヒトへの振る舞いや関係性を改善しようとする組織の成長を支援することで社会をより良い場所に変えます」としました。
Make this society better by helping growth of the organizations who intends to improve behavior to or relationship with the people who are beyond the data by understanding them better.

顧客データを分析するなら顧客、購買データなら購買体験、人事データなら社員、IoTデータならそのデータが作り出された際に関与している人といったようにデータの先には直接、間接にヒトがいるのではないか?
組織がデータからそれらのヒトをよく理解し、振る舞いや関係性を改善すればより良い社会になるはずなので、そうした企業の成長をデータ分析のところで支援します。という意味です。

さて、本日のこのブログのテーマは、Tableauでの初見データの可視化のコツです。

初見データをTableauで可視化するステップ

Mekoever Mondayに取り組んでいるという想定で、初見データをTableauで可視化するまでのステップを以下にまとめてみました。

業務上、取り扱うデータはいつもだいたい同じ。という方も多いと思いますが、何かの事情で、初めて見るデータについて短時間で概要をつかみ、一定の意味を持つVizを作る必要がでてくるかもしれません。例えば、営業中にお伺いしたポテンシャルのお客様データにつながせて頂き、デモを行うようなシーンでお役に立てていただけるのではないかと思います。

手順は以下の通りです。

  1. 例えばエクセルで元データの確認()このステップが不可能ならスキップOK)
  2. ディメンション・メジャー分類の確認
  3. 「●●別の◆◆数」の原則でデータと戯れる
  4. 何にフォーカスするか?(作成するVizで何を言いたいか?)を考えてVizの作成

元データのエクセルでの確認

見知ったデータであれば、データ(エクセルやcsvファイル)を確認せずに、Tableauで読み込んでしまうこともよくありますが、初めて見るデータ(初見データ)をTableauに読み込むときには、可能であればまず、エクセルでファイルをいったん開き、確認するのが良いと思います。チェックする点は以下の2点です。

    1. Tableauフレンドリーかどうか?(データの縦持ち、横持ちの別、余計なヘッダーやセル連結の有無)
    2. 行数(=レコード数)、列数(=カラム数)(どのくらいのサイズ、どのくらいの複雑さのデータか?)

Project Maestroがローンチした後は、この作業はエクセルではなく、Maestroで行うのがお勧めです。Maestroであれば、上記の2個のチェックポイントの確認だけでなく、

  1. データの内容は修正せずに使えるか?(表記のゆらぎの有無や、パーセント表示が、0.02という形で格納されているか2と格納されているか?の確認など)

もチェックでき、さらに、修正が必要となった場合でも相当程度までMaestroで修正できてしまいます。

ディメンション・メジャー分類の確認

Tableauのメリットの一つは、読み込んだデータを、自動で「ディメンション」、「メジャー」に分類してくれて、すぐにViz作成に使えるようになるところです。ディメンションとメジャーについては、こちらの初めてTableauを触る人のための5分間チュートリアルビデオというブログ記事で触れていますので、うろ覚えな方は是非、ご参照ください。

Tableauはかなりの正確さで自動でディメンション、メジャーの仕分けをしてくれますが、「数値で表されたデータ」で、ディメンションとして使いたい項目をまれに、「メジャー」に分類することがあります。以下の2例を紹介します。

a.「セッションの数」
Google アナリティクスに接続した際に利用することもある「セッションの数」という項目があります。内容は1、2、3・・・と正の整数ですので、メジャーのように思えますが、数字が意味するのが何回目の訪問か?、つまり、「既訪問回数」ですので、例えば、既訪問回数を合計するようなことはありません。
初回訪問(既訪問数=1)が3セッション、2回目訪問が2セッションあったからといって、合計既訪問回数が、7=1×3+2×2と計算したりはしない訳です。
したがって「セッションの数」は明らかにディメンション項目ですが、メジャーに分類される場合があります。

b.「案件の確度」
SalesForceドットコムで営業進捗管理をしている会社も多いと思います。そうしたユーザーの中には、「営業案件が、受注までどれくらい近いか?」を「案件確度」などとして管理する場合があります。
内容は未訪問だったら20、見積を出したら50、稟議に入ったら80、受注したら100などと数字で構成されますが、こちらも、確度20の案件がいくつあるのか?とか、確度50の案件の見積総額はいくらか?などが知りたくなるのでディメンション項目ですが、メジャーに分類される場合があります。

上記のような場合は、ドラッグ&ドロップで、項目をメジャーからディメンションに動かしてあげると、そのままディメンションとして利用できるようになります。メジャーとしても使いたい。という場合には項目を複製した上で、複製した項目を動かすとよいでしょう?

「●●別の◆◆数」の原則でデータと戯れる

ここまで来たら、ピル(※)をシェルフ(※)にドラッグ&ドロップして、データと戯れますます。

  • どのディメンションに、どんなディメンションメンバーがいるのか(※)
  • どのディメンションメンバーのメジャーの値が高い、もしくは低いのか?
  • 時間に関するディメンションはあるか?
  • ディメンションメンバーごとに、メジャーは時とともに大きくなっているのか、小さくなっているのか?
  • 実数ではどうで、割合や、差、累計ではどうか?

という点などを考えながらどんどん、ディメンションとメジャーをシェルフに入れたり、シェルフから外したりします。

(※)

  • ピル:データペインにあるディメンション項目、メジャー項目のことをピルと呼んだりします。ドラッグ&ドロップするときに薬の粒のように見えるからです。
  • シェルフ:元の意味は「棚」です。画面上部の「列」、「行」と書いてある空白のピル置き場のことです。ここに置かれたピルがVizで利用されます。「売上」ピルを「列シェルフ」にドラッグ&ドロップします。などと表現します。
  • ディメンションメンバー:ディメンションが「カテゴリ」だとすると、その中に入っている「家具」、「家電」、「事務用品」などがディメンションメンバーです。ディメンション「カテゴリ」には3つのディメンションメンバーがいる。などと表現します。

 

この段階で、「このディメンションは使わないな」、「このメジャーは意味ないな」と思うものがあれば、非表示にします。

ここで紹介した「●●別◆◆法」以外に、Tableau Jediトレーニングの講師をしてくれた Kaori Tanaka先生は「5W1H法」を教えてくれました。ディメンションに着目し「誰が」、「いつ」、「どこで」、「何をした」をとらえ、次にメジャーに注目し「それでどうなった?」を確認する方法です。「●●別◆◆法」と合わせて覚えておくとよいですね。

何にフォーカスするか?を考えてVizの作成

ある程度データに戯れると、データの全体像が分かってきます。その中で、自分がVizで伝えたいことを考えます。伝えたい点にフォーカスを当てないと、文字通り「何が言いたいVizか分からない」ことになり、見る人に何も伝わりません。

他の人にとって新しいことでなくても良い(=見る人がすでに気づいていることであってもよい)ので、自分が何を言いたいかを考えて、その言いたいことが一番伝わりやすいVizを作成します。

例えば、Tableau勉強法としてのMakeove Mondayのリバースエンジニアリングで紹介したAndy Kriebel作成の以下のVizですが、言いたいことは、「フランス、ドイツやロシアではアイリッシュウィスキーの需要は伸びているのに、本家アイルランドでは、むしろ減っているよね。本国と外国で”ねじれ”があるよね」ということと理解できます。

私が同じデータで可視化した、以下のVizで言いたいことは「日本でのアイリッシュウィスキーの需要は、為替変動に影響されて増減を繰り返した時期もあるが、最近はそれを乗り越えて拡大しているね」ということでした。(今振り返ると、”Irish Whisky accelerates its sales in Japan in spite of strong Euro”とでもすればよかったですね。タイトル大事。)

アイルランドを含め、ヨーロッパ諸国、米国などのデータもありますが、言いたいことが「アイリッシュウィスキーに対する日本の需要」だったので、あえて、日本に絞り込み、かつ、提供されたデータ以外である、「円ユーロの為替データ」をブレンドしました。

上記のような、シンプルなメッセージで良いので、「何を伝えたいのか?」を考えてVizを作ることが大事です。

まとめ

プリンシプルでは、Google アナリティクスのカスタマイズ、Tableauによるデータの可視化をサービスとして提供しています。対象のデータとしては、ウェブマーケティングのデータに強みがあるのは確かですが、「Salesforce」、「Marketo」、「会計データ」、「IoTデータ」。「基幹のSalesデータ」なども可視化実績があります。ご興味を持たれた方はinfo@principle-c.comからお気軽にお問い合わせください。

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木田和廣

早稲田大学政治経済学部卒。取締役副社長。カスタマーサクセス室室長。チーフ・エバンジェリスト。

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