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AdWords検索広告で適切なアトリビューションモデルを選択するために

「指名クエリ※1が全体コンバージョン数のほとんどの割合を占める」
検索広告を運用していると直面する場面の1つです。
大抵の場合、検索ボリュームに限りのある指名クエリを狙うだけでは、獲得できるコンバージョン数はどこかで頭打ちになります。デフォルトで設定されているアトリビューションモデル、ラストクリックはあくまで最後の一押しとなったクエリのみを評価します。このモデルで評価されている指名クエリを眺めているだけでは、ビジネスを拡大するようなヒントを得ることは難しいのではないでしょうか。
そこで、ユーザーが指名クエリでコンバージョンに至る前に検索した一般クエリ※2へ注目し、広告の目的に応じて適切に評価してあげるのが、ラストクリック以外のアトリビューションモデルです。
Google AdWords管理画面では「検索アトリビューション」(※旧管理画面では「アトリビューション」という表記となっています)の「アトリビューション モデリング」にてアトリビューション別のコンバージョン数を確認することができます。※2018年3月時点

従来モデルであるラストクリックと他アトリビューションモデルのコンバージョン数の違いを比較することが可能です。
このツールの真価を引き出すためには、アトリビューションごとにどのような特徴があるのか理解する必要があります。
▼Google AdWordsヘルプ ニーズに最も合ったアトリビューション モデルを選択する
https://support.google.com/adwords/answer/7002714
厳密な定義はAdWordsの公式ヘルプにてご確認ください。
このページでは例を交えながら各アトリビューションモデルについてより具体的に解説し、どのような思考プロセスでモデルを選択していくのかをご紹介します。
※1 指名クエリ:このページでは、自社サイト名や自社商品ブランド名など、広告運用をする会社が商標を有するクエリを指します。リスティング広告においては、ユーザー側が検索する語句のことを「検索語句」「検索クエリー」と呼称しますが、ここでは”クエリ”と統一します。
※2 一般クエリ:このページでは、指名クエリ以外のクエリを指します。

従来のラストクリック型による評価

例として、ユーザーがクエリ「ABテスト」「Googleオプティマイズ」「プリンシプル」でWebサイトへ流入することを想定して図を作成しました。
※3回とも全て広告クリックによる流入と仮定します。

デフォルトのAdWordsアトリビューションはラストクリックモデルが採用されているため、指名クエリ「プリンシプル」がコンバージョン1件獲得している、という形でAdWords管理画面に表記されます。
しかし上図の例でいくと、クエリ「ABテスト」や「Googleオプティマイズ」もユーザーとプリンシプルとの接点として機能しています。
広告出稿の目的が「認知拡大」であった場合はクエリ「ABテスト」を評価する必要がありますし、目的が「問い合わせ」であった場合は最後の一押しとなったクエリ「プリンシプル」を評価しつつ、クエリ「Googleオプティマイズ」についても評価する必要があります。

各アトリビューションモデルによる評価

同じ図に各アトリビューションモデルを追記しました。それぞれ解説していきます。

  1. ファーストクリックモデル
  2.  ラストクリックモデル以外で理解しやすいのは、ファーストクリックモデルかと思います。このモデルを選択すると、今までクエリ「プリンシプル」にコンバージョン1件ついていたものが、「ABテスト」にコンバージョン1件つくようになります。ラストクリックモデルと同じく、コンバージョン数は整数値になります。

  3. 線形モデル
  4.  線形モデルは各広告の接点に対して均等にコンバージョン数を割り振ります。上図のように3回広告をクリックしコンバージョン1件獲得した場合は、それぞれ0.33ずつ割り振られます。

  5. 減衰モデル
  6.  減衰モデルはコンバージョンした日時に近い接点に対して多くのコンバージョン数を割り振ります。具体的な計算式は明示されていません。コンバージョン数は小数値になることがあります。説明しにくいモデルではありますが、他モデルにはない有益性もあります。※後述

  7. 接点モデル
  8. 接点モデルは最初と最後の広告クリックに40%ずつ、それ以外のクリックに残りの20%を割り振ります。上図ではクエリ「ABテスト」は0.4、「Googleオプティマイズ」は0.2、「プリンシプル」は0.4というコンバージョン数となります。

 余談ではありますが、AdWords管理画面では小数点第2位まで表示され、合計値がぴったり整数にならないケースも見受けられました。

どのアトリビューションモデルを選択すべきか

広告の目的によって選択すべきアトリビューションモデルは異なります。
 実際のビジネスの場では「問い合わせ」を増やすことではなく、「売上を上げること」が求められることが多いですが、ここではシンプルにWeb広告の目的を「問い合わせ」とします。

 指名クエリである「ABテスト」「Googleオプティマイズ」を評価するモデルは上図に「線形」「減衰」「接点」の3つがあります。それぞれ重みづけが異なりますが、そもそも「ABテスト」と「Googleオプティマイズ」、どちらの評価を重視すれば良いのでしょうか。
※正解はないため、あくまで筆者の思考プロセスとして参考にしていただけますと幸いです。
①最初の接点に対する評価
 最初の接点となる「ABテスト」のようなクエリは検索するユーザーの多い、いわゆるビックワードであることがあります。ビッグワードはリーチする数は多くなるものの、広告との関連性が薄く中々広告を出すことができなかったり、クリック単価が高いわりにコンバージョンに至りにくく、CPA(1件あたりの獲得単価)が高騰するケースがあります。そのような場合、いくら他アトリビューションで評価をしたとしても毎月余るほどの広告費を持っている場合でなければ継続することは難しいのではないでしょうか。
※勿論、クリック単価の低いビッグワードもあります
 ただ、1を下回るような小数点のコンバージョンであっても何かしら評価がされていれば、今後アプローチ次第でコンバージョンに繋がる可能性のある検索クエリを見つけることができます。その検索クエリは広告ではコンバージョン刈り取りが難しくとも、例えばSEOで狙うクエリとして把握していればその可能性を活かすことができるのではないでしょうか。SEOでなくとも、ランディング先の情報をそのクエリに応じて変更することでコンバージョンを狙えるクエリに化ける可能性もあります。集客施策として何のクエリを狙うべきか分からない場合、多少なりとも各アトリビューションで評価されていれば狙う根拠のあるクエリであると言えます。
②最後一歩手前の接点に対する評価
 次いで「Googleオプティマイズ」のような最後一歩手前の接点となるクエリですが、これは広告に向いているケースがあると筆者は考えています。

ユーザーの状態をより掘り下げると、クエリ「Googleオプティマイズ」で検索したユーザーは「(Googleが提供するABテストツールを知っている程度の)Googleオプティマイズを知っているものの、プリンシプルのことは知らない」状態となっています。このユーザーに対しては「Googleオプティマイズとはなんぞや」ということをわざわざサイトで伝えなくても、プリンシプルがGoogleオプティマイズを駆使した実績がある、といった形でGoogleオプティマイズとプリンシプルとの関係性を伝えることで問い合わせに繋がる可能性があります。
①と②をまとめると、
・最初の接点は評価はするがそこまで評価の重みはなくて良い
・最後一歩手前の接点はラストクリックモデルでは、指名クエリに埋もれてしまっているがコンバージョンに近く、高く評価したい
となり「減衰モデル」を選択する、という発想となります。
繰り返しになりますが、上記はあくまで考え方の1つです。過去の検索クエリからユーザーの状態を想像し、適切だと思われるアトリビューションを選択すること、そして選択したアトリビューションを通じてどのような結果が得られたのかを踏まえ、考察し、次につなげることが重要です。
また余談となりますが、

アトリビューションを変えてみても、結局のところ指名クエリが多くのコンバージョンを獲得している、というケースもあります。※逆にいうと、アトリビューションを変更することで「本当に効果がなかったクエリ」を明らかにすることはできる、ということでもありますが…。

データドリブンモデルについて

十分なコンバージョンがある場合は「データドリブンモデル」が選択可能となっています。

データドリブンはアカウントすべての経路を評価した上で、どの接点の貢献度が最も高かったのかをアルゴリズムによって評価する、というものです。アトリビューションモデルの選択さえ機会学習に任せてしまえという、ここまで書いてきた話自体を覆すようなモデルです。ただ、このモデルを使うことができないアカウントもあるため、その場合はラストクリック以外のアトリビューションを使用することで、データドリブンが使えるようになるまでに小数点で表記されたコンバージョンに慣れる、というのも手かと思います。

コンバージョンのアトリビューションモデル変更

アトリビューションモデルの変更をAdWords管理画面に反映するためには、コンバージョンアクションの「アトリビューションモデル」を変更する必要があります。

2018年3月時点では特にサイト側に埋め込んでいるorGTMで設定しているコンバージョンタグを張り替えることなく変更することができました。
純粋に各アトリビューションモデルの数値を確認するだけであれば検索アトリビューションを使用するだけで事足りますが、目標コンバージョン単価制などのAdWordsによる機械学習にて成果を上げるためには、コンバージョンのアトリビューションモデルを変更する必要があります。

関係者への説明なくアトリビューションモデルを変更すると、各キャンペーンのコンバージョン数が小数点であることに総突っ込みをもらうこととなるので、説明は導入前に丁寧に行うことをおすすめします。
※従来のラストクリックと比較して見たい場合は冒頭で紹介した「検索アトリビューション」を使い、確認することができます。

まとめ

AdWordsを取り巻く環境は変化が激しく、このページで触れた内容も時間が経てば大きく変わる可能性があります。変化の度に仮説と実践、検証を繰り返すことで成果の出る広告運用を心がけたいものです。
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