webマーケティング


2016.9.13

「定量」×「定性」分析で顧客視点のマーケティング戦略

20160912_muramatsu


顧客視点のマーケティングの時代

国内外のブランド企業やエージェンシーが参加するイベント「iMEDIAブランドサミット」が先日沖縄で開催され、弊社代表の楠山も参加してきました。(冒頭の写真は楠山のセッション登壇時の写真です)
イベントの中で注目されたのが、世界でも注目されているクリエイティブエージェンシーR/GAによる「Designing an Agency for the Connected Age(すべてがつながる時代のエージェンシーのあり方)」というテーマの基調講演。

R/GAのJay Zasa氏は、従来の広告アプローチは「Big Idea」と呼ばれる売る側の論理(プロダクトアウト)で主に考えられていました。それに対して「全てがつながる時代」においては「顧客の実際の行動や声」を元にした顧客視点の考え方がますます重要になっており、両方を合わせた「Whole Idea」にたどり着くことで新たなチャンスを切り開くことができる、ということを強調しました。

顧客がスマホを中心にアプリ、ウェブサイトや実店舗などを行き来し、それをつないだ計測やマーケティングアクションが現実的になりつつあります。マーケティングにおいても改めて顧客の行動や声に目や耳を傾けて、顧客のインサイトやカスタマージャーニーを捉えなおし活かしていくことで、チャネルをまたいだユーザー行動に対して効果的な打ち手や、これからのマーケティング戦略の示唆を見出すことができるということだと思います。

本稿では、ますます重要になっているこの「顧客視点」について、私たちウェブマーケターがどのようなアプローチで自社の顧客視点を身につけていったらよいのかを考えてみたいと思います。

そもそも自社にとって大切な顧客とは?

顧客視点のマーケティングの出発点として、まずは「そもそも自社にとって重要な顧客はだれか?」と考えてみる必要があります。ターゲットとする顧客セグメントの優先順位をあいまいにしていると、顧客理解の取り組みやその先の打ち手の効果も半減してしまいます。

  • その顧客セグメントは自社の収益にどのくらい貢献しているか?
  • 自社の得意領域やサービスの提供価値とニーズがマッチしているか?
  • 自社のファンユーザーはどんな属性か?

といった観点で自社にとって大切な顧客像を考えてみましょう。

顧客セグメントは、B2Bであればどんな業種のどれくらいの規模の企業なのか、B2Cであれば、性別年齢といったユーザー属性以外にも、たとえば低価格志向かブランド志向かなどを考えます。自社にとってもっとも大切な顧客とはだれなのかをなるべく絞り込んで、セグメントごとにしっかり優先順位付けすることがとても大事です。

定量×定性で顧客理解を深める

顧客セグメントの優先順位が決まったら、そのセグメントに対する理解を深めるためにデータの分析に加えて「定性調査」の手法を取り入れ、「実際の顧客の行動や声」を聞いてみましょう。

弊社はGoogleアナリティクスのデータ解析に強みを持った会社ですが、クライアントのウェブマーケティング戦略を策定するフェーズでは、多くのケースでGoogleアナリティクスなどの定量分析にユーザーテストや現地調査、インタビュー調査などの定性調査を組み合わせて、現状の課題分析を行います。

定量と定性の違いを以下のとおりまとめてみました。

  具体的な手法例 利点 利用用途
定量
  • Googleアナリティクス分析
  • POSデータなどのビッグデータ分析
  • ヒートマップ分析等
データに網羅性がある
  • サイトの全体的な利用状況の把握
  • コンバージョンファネル上のボトルネックの箇所特定
  • 正確なデータの割合や分布の確認
定性
  • ユーザーテスト
  • 現地調査(フィールドワーク)
  • インタビュー調査
顧客理解に厚みが出る
  • ユーザーニーズの深堀り
  • 利用シチュエーションの把握
  • ボトルネックの原因理解
  • 提案先の納得度を高める

定性調査では、抽出したサンプルを対象に狭く深く調査を行います。そのため、全体感の把握や正確な割合や分布の確認には向いていません。

その一方で定性調査は、直接顧客から見聞ききできるので、定量分析では知ることが難しい顧客のリアルな利用シチュエーションや、ニーズ、その時々の気持ちを深く知ることができます。

「自社サービスをどんな目的で検討しているのか?」
「どんなシチュエーションで検討しているのか?」
「自社サービスに満足しているのか?」
「なぜ自社ではなく他社で商品を購入したのか?」
「なぜファネルの途中で離脱してしまったのか?」

こういった情報は、顧客理解をするうえで欠かせませんが、定量データだけではあくまで憶測するしかありません。顧客理解に基づいた顧客視点のマーケティングアプローチに、定性調査がかかせないと考えるのはこのためです。

また、筆者の経験上の話になりますが、定性調査によって得られた顧客の生の声は提案先の納得度を高めるのに非常に有効です。良い提案を持っていっても、その価値がステークホルダーや意思決定者に理解されず実施されなければ意味がありません。「データからこういう仮説が立てられます」と説明するより、「顧客がこう言ってるんです、だからこうしましょう」と言われたら…相手もその事実を否定しようがないのだと思います。

以上のように、データ分析に加えて、定性調査を実施し顧客の行動や声をしっかり見て聞くことで、顧客のインサイトやカスタマージャーニーを捉えなおし顧客視点のマーケティングに活かしていくことができます。

弊社では、Googleアナリティクス、ヒートマップ分析などのデータ解析と、ユーザーテストや現地調査といった行動観察から顧客理解を深める手法を組み合わせ、包括的なウェブマーケティング戦略策定のお手伝いをする「ハイブリッド診断」というサービスを提供しています。
1~2ヶ月ほどかけて各種分析・調査をさせていただき、ウェブマーケティングの戦略のご提案や、収益増加の伸びしろのシュミレーション、具体的なマーケティングアクションにつなげるためのアドバイスをいたします。

改めて「顧客視点のマーケティング」に取り組みたいとお考えのご担当者の方はこちらからお問い合わせください。


村松沙和子

村松沙和子

早稲田大学卒業。2011年にトランスコスモスに入社し様々なECサイトの運用改善に携わる。2014年よりプリンシプル社に参画。データ分析、ユーザーテスト、ヒートマップ、ABテストといったサイトの定量×定性分析によるECサイト全般の改善提案を得意とする。


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