Universal Analyticsの計測停止(無料版)が近づいており、Google Analytics 4への移行は終盤に差し掛かっています。これからは、収集されたデータを有効活用するために、次のフェーズであるレポーティングが必要となります。

Looker Studioのコネクタを使用することで、無料でGA4データ分析やレポーティングが可能です。この記事では、そのコネクタの機能と利用上の注意点について説明します。GA4移行後のレポーティングについて悩んでいる方は必見です。

Looker Studioとは?

「Looker Studio」は、Googleが提供する無料のBIツールです。Googleアナリティクス、Google Search Console、Google広告、BigQueryなどのデータを視覚化することができます。以前は「Googleデータポータル」という名前で提供されていましたが、2022年10月11日から「Looker Studio」という名前に変更されました。

Looker Studioの特徴については、弊社記事「無料で使えるLooker Studioとは?どんな特徴がある?」をご参照ください。

GA4コネクタでGA4データを接続する方法

Looker Studioが提供しているコネクタの中にGoogleアナリティクスが含まれ、GA4プロパティにも対応しています。すなわち、Looker Studioからコネクタ経由でGA4データを簡単に参照できます。

(1) まず、Looker Studioで新しいレポートを追加し、コネクタからGoogle Analyticsを選択します。これにより、利用中のGoogleアカウントにアクセスし、権限を持っているプロパティが表示されます。

(2) 分析したいプロパティを選択すると、該当プロパティのデータがレポートに追加され、利用できるようになります。

Looker Studio×GA4での分析の例

Looker StudioとGA4の組み合わせにより、KPIモニタリング、サイトの現状把握などの分析が行えます。


KPIモニタリング


トラフィック分析


ユーザー属性分析

注意点①:ディメンション/指標

コネクタを利用する影響で、閲覧可能なディメンション・指標に制限があったり、項目名が異なる場合があったりします。

(1) 対応しているディメンションと指標

GA4コネクタでよく使われるディメンションと指標は、基本的に対応しています。以下は一部抜粋です。

(2) GA4管理画面側と項目名が異なる場合がある

一部のディメンションや指標は、GA4の管理画面側(探索、標準レポート)で使用される名称と異なる場合があります。例えば、以下のような例があります。

  • 視聴回数 = ページビュー数
  • ユーザーのメディア = ユーザーの最初のメディア
  • 利用ユーザー = アクティブ ユーザー数

(3) コネクタ経由でサポートされない項目がある

GA4の管理画面側(探索、標準レポート)では使用できていても、GA4コネクタ経由では利用できないディメンションや指標があります。たとえば、以下のような項目です。

■セッションの参照元/メディア
参照元とメディアは別々で取得できますが、「/」で繋いだバージョンはないため、自分で計算式にて作成する必要があります。

■ライフタイムのセッション数、LTV など
ユーザーのライフタイプ系は、最初の流入以外基本的にサポートされていません。

■予測収益、購入の可能性 など
予測系の項目はGA4コネクタ経由ではサポートされていません。

注意点②:リクエスト上限

GA4コネクタを使うと、手軽にいろいろな分析ができますが、割り当てエラーが表示されることがあります。その原因はGoogleがGA4コネクタ(API)経由でデータ取得するときのリクエスト数に対して、上限を設定したからです。

リクエスト上限に関する詳細は下記記事をご参照ください。
割り当て | Google Analytics Data API | Google Developers

リクエスト上限への対応方法は、主に以下の3つがあります。

対策1. リクエスト数を減らせるよう工夫する

  • ページごとのグラフ数を減らし、同時リクエスト数を制限する
  • PDFメール配信機能を活用して、レポートへのアクセスを制限する
  • フィルター、クロスフィルターなど、リクエストを投げる機能の利用を抑える

対策2. データの抽出を利用してリクエスト頻度を下げる

データの抽出機能を利用して、必要なディメンション、指標のみ抽出して自動更新させます。更新のタイミングを分散することによって、リクエスト頻度を下げられます。
(※注意:抽出はデータソースごとに上限100MBまで)

対策3. GA360にアップグレードする

料金はかかりますが、GA360(有料版)にアップグレードすることによってリクエスト上限は無料版の10倍になるため、制限はかなり緩和されます。

まとめ

この記事では、Looker StudioのGA4コネクタの機能と利用上の注意点について説明しました。

  • Looker Studioの公式コネクタを利用することで、GA4データを無料で分析・レポーティングが可能になります。この手軽で便利なツールにより、KPIモニタリング、トラフィック分析、ユーザー属性分析などのデータ活用が容易に実現できます。
  • 注意点としてリクエスト上限があります。対応策としてリクエスト数を減らす工夫やデータ抽出、GA360へのアップグレードが選択肢として考えられます。

Looker Studioを活用し、GA4データの価値を最大限に引き出しましょう。

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エリス(徐 萱)Eris Xu

早稲田大学商学研究科卒。DXコンサルタント。中・英・日本語対応。データ解析エンジニアとして、データ精緻化を担当後、現在はBIコンサルタントとして企業のDX支援を行う。

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公開日:2023年02月

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