海外マーケティング


2016.8.22

日本企業にとってのシリコンバレーの魅力とは?

20160822


こんにちは、プリンシプルの楠山です。今週は改めて日本企業にとってのシリコンバレーの魅力を、2016年夏現在で様々な方にお会いした人の話も踏まえ紹介したいとおもいます。

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画像引用:シリコンバレー2016マップ

1.日本企業にとってのシリコンバレーの魅力とは?

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一昔前はYahoo! Inc、HP(Hewlet Paccard)、Adobeなどの企業が、最近ではGoogle、アップル、Facebook、Uberなどの企業を生み出したシリコンバレーはインターネット業界に携わる日本人にとっても聖地となっています。

そのような中、日系企業の進出も過去最高となっているようで、JETRO発表の数値によると
シリコンバレー、またサンフランシスコ全体を含むベイエリアに進出した日系企業は2014年には719社となり、過去最高となったようです。また安倍総理が2015年4月に米国シリコンバレーを訪問し、その後発表した「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」(日本の起業家育成プロジェクト)などは記憶に新しいです。

なお進出企業の内訳を見てみると日系企業の4割超がサンノゼ市のあるサンタクララ郡に集中し、サンフランシスコ市は約2割となっています。ただし、最近の傾向として2012年~2013年に登記した新規設立企業は35%がサンノゼ近辺、27%がサンフランシスコとなっており、サンフランシスコ市の人気があがってきていることがわかります。

最近ではSprintを買収したソフトバンクや楽天が拠点を設置したほか、ユニクロや無印良品、2015年には眼鏡チェーンJINSや「ほっともっと」のプレナスが、定食「やよい軒」の米国1号店を2016年3月にパロアルトにオープンし、日本とは違った少しハイセンスな和食料理屋として行列店となっています。また回転寿司の「くら寿司」がクパチーノにでき、5時間待ちなど日本の企業やサービスの進出が次々と続いています。

また在サンフランシスコ日本国総領事館によるとサンフランシスコ・サンノゼを中心としたベイエリアには約4万人の日本人が住んでいるそうです。ちなみに韓国人は約3万人、中国人は約25万人となります(出所:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_U.S._cities_with_significant_Chinese-American_populations)。ベイエリア全体の人口が750万人なので日本人の比率はまだまだどちらかというと少ないほうに入るでしょう。

そのような中、私が思う日本企業がシリコンバレーに進出する3つのメリットについて紹介します。

2.魅力その1:経済規模で世界20位と大きく、日本を含む多様性を認める市場

米労働省のデータによると、ベイエリアの経済規模は6,390億ドルで、国別ランキングに当てはめるとサウジアラビアとスイスの間の世界20位にランクされるほどの大きな規模を持っているそうです。

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引用:SF Bay Area Economy bigger than Switzerland, Belgium, Sweden

確かに「ユニクロ」、「無印良品」からラーメン屋や最近進出した「やよい軒」などベイエリア内の複数の都市(サンフランシスコ市、パロアルト市、サンノゼ市など)で十分収益が成り立つ商圏として認識しているからでしょう。

また良いものに対してお金を払う高所得者層が多いこと、「Cool」という考えのもと、新しい技術のみならず新しい文化に積極的に興味を持つ層が多いことも、特に日本の文化などを商売にする際に進出を後押しする要因と思えます。

しかしながら逆に言いますと、昔ながらの日本文化をそのまま持ち込むだけでは「cool」にならず、雑貨にしても日本食料理屋にしても差別化できる付加価値が必要となってきます。

ちなみにGoogleのお膝元であるマウンテンビュー市には8つのラーメン屋があり、すでに閉店しているなど、消費者側にとっては質があがるのでありがたく、事業側にとっては競争が激化しているといえます。

そういった意味でも、日本企業が進出する際は、目や舌の超えた現地の消費者を満足させられる新しい価値を与えられる商品や価値が必要となってくるでしょう。

3.魅力その2:イノベーションとアイデアが次々と生まれる環境

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シリコンバレーでは下記のサイクルによって、IT企業やベンチャー企業を支える経済圏が確立できているといえます。

世界最高の人材と、Google、Apple、Facebookの後も次々とUber、Airbnb、Instagram、Snapchatなどの世界規模のサービスが次々と生まれる経済サイクルが出来上がっています。そのような刺激的なイノベーションが生まれる環境に拠点を持つことは、日本企業にとっても自社のサービスの改善や、新たなサービスの開発にとっても参考になるでしょう。
特にアメリカで成功したサービスを日本市場に導入する、いわゆるタイムマシンビジネスは確実に成功するとはいえませんが、大失敗の可能性が低いビジネス展開が可能かと思っています。

<シリコンバレーのイノベーションが生まれるサイクル>
1:シリコンバレーにGoogleやAppleなどのM&Aについても積極的な企業とベンチャーキャピタルなどの投資家が集まっている。
2:ベンチャー企業はM&AやIPOを目指し、投資家向けプレゼンなどで資金を集め、億単位の資金調達をする。
3:調達を受けた企業は自ら投資家に示したプランを高い精度で実現すべく、世界中から優秀なエンジニアを高い給与で募集し、そのアイデアをスピード感を持って2-3ヶ月でリリースしていく

一方それにより人件費や家賃などが高騰しており、現地企業にとっても日系企業にとっても大きな課題となっています。特にIT系企業のエンジニアの高騰のみならず、小売・レストランなどのパートタイム時給も上昇しており、参考までにユニクロで約13ドル弱、Macy’s という現地デパートで約10ドル強となっており(参考サイト:glassdoor.com)、今後、サンフランシスコとシアトルでは、2018年までに最低時給を段階的に15ドルにしていく方向です。それに医療保険などのベネフィット等が足されると企業の収益を圧迫します。

よって、お話を聞いた日本企業ではエンジニアやデザイン業務は現地人に任せず、結果的に半額近くになる日本にいる日本スタッフにお願いする、など工夫されている企業も多くいらっしゃいました。

4.魅力その3:人的ネットワークワーキング「とがった人材」の宝庫

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シリコンバレーでも人的ネットワーク、特に誰と知り会うか、は大変重要になってきます。
現地でも meetup.comを中心に毎晩様々なところで投資家とベンチャー起業家やIT業界のイベントが行われています。コアとなるような人との出会いは紹介が一番良いのは世界中変わらずですが、もしそのようなつてがない状態であればmeetupなどで色々と人を知り合うのはよいでしょう。ちなみにこのような活動を現地では「networking」という言葉を使っています。

一方、日本企業、日本人という意味でもシリコンバレーで会う方は「とがった人材」が多いように思えます。
アメリカはビザ取得が厳しいのですが、そこを超えた上でチャレンジをしている方が多いので、波乱の人生は当たり前の面白い話が聞けます。アメリカで日本のサービスを売り込みたい起業家、こちらに大学から来て、そのまま就職する方、子供の教育のため自分が留学生ビザをとって子供と留学している母、ビザ切れで帰国間際にギリギリでビザスポンサー企業を見つけ残ったり。。。などなどです。

また日本からの視察などでいらした、日本ではとても会えないような社長さんや、実際に何人かの知り合いの社長も安倍首相と昨年会ったりもしています。

そのほかにも、こちらの企業で働いて帰国される、英語が堪能かつシリコンバレーのビジネスについても熟知している人材などもたくさんおり、そのネットワークが日本に戻ってビジネスにつながったり採用につながったりすることも十分あるでしょう。

以上、日本企業にとってのシリコンバレー進出のメリットについて書かせていただきました。

弊社では日本企業のシリコンバレー進出を登記などの設立から、現地でのマーケティングまでワンストップで支援しております。ぜひご興味ある方は弊社までご連絡いただければとおもいます。


楠山健一郎

楠山健一郎

1996年国際基督教大学(ICU)卒業。シャープ株式会社で海外営業を経た後、2000年に当時まだ40名以下のベンチャー企業サイバーエージェントに入社、2001年トムソン・ロイターグループに入社し、「ロイターco.jp」をロイターのオンライン戦略の貴重な事業として急成長させる。株式会社オークファンの執行役員事業統括を勤めた後、株式会社プリンシプル社を設立。


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