海外マーケティング


2016.12.9

2016年、米国デジタルエージェンシーの投資領域とは?

20161209_kk


前回は、アクセンチュアDigialなどのコンサルティングファームが、デジタルエージェンシーとしてクライアントのオンラインの課題解決において台頭してきている現状をお伝えしました。
今回はそれらデジタルエージェンシーの、2016年の現時点の投資領域・関心と、スケールする上での課題についてご紹介します。

1:デジタルエージェンシーはソフトウェアに対する投資をより強める

アメリカのデジタルマーケット調査会社eMarketerが「デジタルエージェンシーの経営層の、2016年の投資先の興味関心」について調べたレポートを発表しました。

20161202_k_01

(画像出所:emarketer)

この調査によると、80%の経営層がより人の採用に投資をするといい、70%以上がソフトウェアに投資すると答えています。

また63%がIT環境などのハードウェアに投資すると答え、52%がアウトソース先に対して投資する、つまりパートナー企業への発注に投資すると答えています。その他には他社の買収やCMSやマーケティングプラットフォームの変更などの投資を考えているとのことです。

2:関心が高いのは、マーケティング活動を把握するデジタルプラットフォーム

20161202_k_02

(画像出所:emarketer)

一方で、より強く関心を持って学んでいきたい分野は?という質問に関しては、DMPが91%と高い比率になった。DMPとは、経営層が様々なチャネルのマーケティング情報を一つに統合するプラットフォームを指しており、他の広告のアトリビューションやDSPなどのアドテクノロジー以上の関心を占めています。

一方、ProgrammaticTVとは既存の手売りのテレビCMにオンライン広告の概念を持ち込んだもので、2015年より11ポイントアップの80%ということで最大の伸びを見せました。

3:事例:Ad Taxi社が開発した自社DMP

デジタルエージェンシーによるソフトウェア投資の事例を1つ紹介します。2010年に創業したデジタルエージェンシーのAd Taxi社は現在、230人を超えるデジタルエージェンシーへと急成長し、2016 U.S. Google Channel Sales Innovator Awardを受賞しました。
当初はサードパーティーがクラウドベースで提供している可視化ツールを活用していましたが、自社の理想とする運用が実現できないことから、自社で様々なキャンペーンやマーケティングプラットフォームを一元化し、ダッシュボードで見せるツール「Magellan」を開発したとのことです。

これにより運用やレポートのレベルが高いレベルで均質化し、GAデータと併せて、クライアントへの透明性も増すことになり、また運用面でも一部が自動化されることで、結果的に月間4000キャンペーンを運用できるようになり、急成長につながったとのことです。

参考サイト:http://www.adtaxi.com/2016/11/18/2016-u-s-google-channel-sales-innovator-award-goes/

4:デジタルエージェンシーがスケールする上での課題をまとめたサイト

最後に以下のサイトを紹介したいと思います。

http://www.docurated.com/all-things-productivity/33-ad-agency-experts-reveal-single-biggest-mistakes-challenges-ad-agencies-face-scale

実際にスケールしたデジタルエージェンシー33社が、スケールする上で犯してきた過ちを語るブログであり、非常に興味深い内容となっています。
多くの企業がスケールする中で、人材の採用、流出、リソース配分、仕組化された営業体制などを挙げています。この辺りを解決することも中小のデジタルエージェンシーには必要なようです。

5:まとめ

これらの米国デジタルエージェンシーの傾向から見えるのは、デジタル領域でのマーケティング活動は複雑化していることです。また、経営層によるROIをより1つのプラットフォームで見える化するニーズは顧客側でもエージェンシー側でも高まってきているということです。またSalesforceなどの代表的なクラウド型CRMツール、MAツールなどの活用の他に、自社で開発作成する、という部分が競争力になってきているケースなども増えてきているようです。

これらのツールをうまく活用して、

  • 顧客へのサービスレベルを管理
  • 社内リソース管理
  • 良い採用とセールス体制の構築

を実現することがデジタルエージェンシーを今後スケールさせる上での鍵と思いました。


楠山健一郎

楠山健一郎

1996年国際基督教大学(ICU)卒業。シャープ株式会社で海外営業を経た後、2000年に当時まだ40名以下のベンチャー企業サイバーエージェントに入社、2001年トムソン・ロイターグループに入社し、「ロイターco.jp」をロイターのオンライン戦略の貴重な事業として急成長させる。株式会社オークファンの執行役員事業統括を勤めた後、株式会社プリンシプル社を設立。


> の記事一覧

タイトル:米国ポッドキャスト事情
2017.2.27

第0回:VLOGスタート!米国ポッドキャスト事情

著者:
Episode 01 hero image
2017.3.13

第1回:Amzon Echo産直レポート&米国動画トレンド

著者:
20160822
2016.8.22

日本企業にとってのシリコンバレーの魅力とは?

著者:
音声検索の時代
2017.5.23

第5回:音声検索の時代

著者:
Episode2
2017.3.23

第2回:ウェビナープラットフォーム「GotoWebinar」使用レポート

著者: