世界のEC成長率は軒並み15%超え

似田貝:米国EC市場トレンドということで、コロナ禍でいろいろと変わってきてる中、どれだけ変わってるのかっていう話だと思いますが、日本も含めて、変わってるでしょうということで、クリスさんに話してもらいましょう。クリスさん、準備よろしいでしょうか?

クリス:はい。よろしくお願いします。

似田貝:今日の顧客ステージ別の広告戦略のところからいくと、これは結構全体に言えることになりますでしょうか。アクイジション(acquisition)・知ってもらうところ・認知してもらうところからリマーケティングにかけて全体に影響する話っていう理解でいいでしょうか。

クリス:そうですね。今日はECのトピックなので、BtoCとかDTCの領域なので、ファネルで言うと上から下までとなります。

似田貝:そこで、どんなことが起きてるのかという事で、まずは世界的な動きから説明してもらおうと思います。パーセンテージがいっぱい世界地図の上の乗っかっているのですが、どういう事でしょうか?

クリス:ShopifyのFuture of ecommerce(eコマースの将来)のリサーチで、2021年のトレンドを主にカバーした内容、Shopifyのデータをご紹介することになります。その調査レポートで、eコマースの成長率っていうところで、やはりコロナの影響でオフラインの小売の店舗の売り上げが下がるっていうのはどこの国もあるようなトレンドですけども、その中、ECの好調な成長は、コロナ禍でいろんなニュースでとりあげられました。Region(地域)ごとに見ると、北米だと18%も2020年から2021年に伸びるっていう事になっておりまして、ヨーロッパの中でも東と西でだいぶ違うっていうところがわかります。西ヨーロッパですと16.9%の成長と、東の方だと11.5%とかになります。アフリカの方も結構元気がある、ポジティブな成長率ですね。このように、横ばいっぽい感じではなく、東ヨーロッパが得に好調です。ポイントは、今後10年間見たときに米国よりもアジア圏、欧州、中東がアメリカより伸びるんじゃないかっていうのが一つのフォーキャストに入ってます。今回はUSのトレンドなんですけども、ちょっとそういう世界的な背景っていうのも一つ、分かると違うのかなって思います。

似田貝:なるほどですね。どこの世界でも10%以上の伸びが見られるでしょうっていう予測ってことですね。

クリス:そうですね。これは日本は入ってないんですけども、感触的には発展途上じゃないですけども、中東とかヨーロッパでもエマージング・マーケットって言われてるところが、今後、飛躍的に伸びるんじゃないかと言われてます。

米国のEC成長率は16%超、服・靴・アクセサリが顕著な伸び

似田貝:なるほど。そんな全国というか世界的な状況なのですけれども、アメリカに限った話にこれからフォーカスしていきましょうか。

クリス:そうですね。ここでちょっとホームベース(アメリカ)に戻ります。左のデータがStatistaから取ったUSのリテールのeコマース・リテール・セールスフォーキャストですね。毎年伸びていくっていうところが、このバーチャートでも見れます。2019年あたりでは3431億ドルっていうところが、2024年に向けて4700億ドルぐらいに伸びるっていう予測です。右下のチャートは、そもそもその小売の売り上げの総額の割合が何%がそのECから来てるのかっていうのが2010年の頭からトラッキングしてるデータ。当時は、5%もいかないくらいがコロナ前の2019年終わりぐらいでまでには11%ぐらいに伸びてます。それが飛躍的に伸びるのが、コロナの時に一気に消費者はオンラインで買い始めたところで、それがバーンと16%ぐらいまで跳ね上がるんですね。率直な意見としては、あれ16%だけだったのっていう見方もあるのですが、きっとカテゴリーとか、物によって違うんだなっていうのが分かりますし、今のところアメリカではこういう状態になってます。

似田貝:外に出てはいけないのだから、普通は100%になるはずだよねってことですよね。

クリス:そうですね。

似田貝:その中でどんなものが売れてるのかっていうと、小売り系のアパレル・アクセサリー的なものですか。

クリス:このデータで見ると、一般的にECで売れているカテゴリーで、人気なのがアパレルアクセサリーです。そして、多分このコロナ前の調査とかで見たときの推移だと思います。そういった意味では、カテゴリーで見ただけでも、2024年までには日本でいう16兆円とかそんなレベルの巨大なマーケットがありますっていうところがShopifyのリサーチになります。コロナ禍で、だいぶその数字や予測・推移もだいぶ変わるんじゃないかなと思っtます。アパレルの分野を見ると、常に同じ物が売れるかと言うとそうではなくて、クロックスのようにカジュアルな普段着とか、スエットパンツとか、そういうものが同じ人気のカテゴリーの中でも売れる物・売れなかった物っていうのが結構差が出たのじゃないか。そんなパンデミックの状況ですよね。

似田貝:日本でもユニクロの普段着を、リモートワークで家で着るために大量に買うじゃないですけど、そういう需要ですごくユニクロの売り上げが伸びたっていうニュースが結構言われてましたね。

クリス:ユニクロだと何が売れてるのでしょうか?

似田貝:基本的にユニクロの売れ筋っていうのは、定番商品的なところが多いと思うんですけど、プラス、今年、去年だったか忘れましたけど、スヌーピーのあのピーナッツが70周年で、何かそういうコラボレーションとか、どこでもやってました。ユニクロもそういうのをやってましたし、家で着やすい服とか、僕もこれユニクロなんですけど、普段全く服を買わない僕でさえ、スエットとか買わないととなりました。やはり家で過ごすときの服、それこそ普段会社に行ってスーツ着てたみたいな人たちが家で働くってなると、家でカジュアルな格好するみたいな感じになったんじゃないでしょうか。

クリス:なるほど。ただ、カジュアルだけが売れたかっていうと、そうでもなくて、ポッドキャスト聴いていたのですが、クロックスさんも結構頑張ったんですよね。ただクロックス売れればいいってわけじゃなくて、例えばアーティストとコラボしたりとかありましたね。なので、その状況の中でも、消費者がエキサイトするように商品をラインアップすることで、今おっしゃったユニクロさんのスヌーピーとのコラボに似た事、そういうのがコロナ過で結構目立ったんじゃないかなと思います。

似田貝:スヌーピーがどれだけ売り上げに貢献したかは、ちょっと研究不足すぎて分からないのですけど、そういう工夫はきっとしてたんでしょうね。
クリス:そうですね。クロックスだと、ポスト・マローン(ミュージシャン)ヒップアーティストかR&Bか分からないのですが、彼とのコラボ物がすごい売れたらしいですね。

EC参入が多くの業態で広がり、競争が激化している

似田貝:なるほど。そういうこともあって、売上比率、ECの売上率っていうのはすごく高まってるよっていう話だったと思うのですけど、なんかよくコロナ禍が始まって以来、結構言われてるのが、今までで一番DXを推進したのって何だったんだろうって言ったときに、コロナが半年でめちゃくちゃDXを推進したけど、補助金とかそういうのは全然役に立たなかったよね、みたいな話もされてたと思います。それを裏付ける数字みたいなことがこのECトレンドの位置でしょうか。

クリス:そうですね、ペネトレーション(浸透率)という意味では、USの人口でECをアドプト(日頃から利用)したっていうところで言うと、もう半分ぐらいの人がアドプトしたと見てもいいのかなと思うぐらいの数字だと思います。そもそもECで買い物をするっていうのは結構若い世代、GENERATION Z(1995年以降に生まれた人たち)や、ミレニアル世代(80年から90年の間に生まれた人たち)ですが、それだけではなくて、年配の方、日本でいうとシルバー層世代の方もオンラインで買わないといけないっていう状況がパンデミックでなったので、ECペネトレーション、ECで買い物する人が総合的に増えたのが大きなトレンドだと思います。

やはり、ビジネスはそういうトレンドを無視できないので、今までECで購入するのをためらっていた人が迷いなくECでお買い物、レガシーと呼ばれているリテールストアや大手の小売店もどんどんEC参入しないといけない事に気づき、eコマースでも競争が激化しているっていうのが一つのトレンドですね。

その結果、顧客獲得コストが押し上げられてる現状があります。我々は、結構アマゾンとか、eBayとか、大手のサイトやビジネスに注目しがちですけど、その中でもTargetとかKohl’sとかのビックチェーン、またコストコとかもオンラインからの購入は昔からありますが、全体的にビックチェーンからのトランザクションが増えました。大手からオンラインで買うっていうトレンドも、やはり少なからずあります。

似田貝:例えば広告の入札のクリック単価が高くなるとかそういうことが、現象として見られてるって感じでしょうか。

クリス:やはりそのスーパーで買うものも、例えばAmazonフレッシュとかあるじゃないですか。普段、Fee(手数料)とか払いたくないからオフラインの店舗に行くっていう人がAmazonフレッシュから買うようになったのも、やはりこのコロナ禍で初めて使い始めた方とかが多いみたいですね。コロナに感染するぐらいだったら数ドル払うよっていう人も増えましたね。うちの奥さんもそういうの絶対やってなかったんですけど、もう最近では普通にこっちの方が便利ってやり始めてるし、ある意味そういうマインドセットが、変わったっていうのが結構大きいんじゃないですかね。

似田貝:なるほど。実際1回使ってみたらすごい便利だった、みたいな人も増えてるかもしれないってことでしょうか。

クリス:うちの場合はやはり子育てしてるので、子供連れてスーパー行くのも面倒・心配な面もあります。面倒をみるタッチポイントも増えるから。そういった意味では、子供のオンライン授業をやっている間に出前してもらえるとか結構便利ですよね。

似田貝:実際、コストパークリックー1クリック単価ーが高くなってるっていうデータが示されてる感じでしょうか。

クリス:そうですね。ここのデータもShopifyから引用していますが、やはりECに参入してくる大手が増えると、クリック単価と顧客獲得コストが増えるっていうのは、このようにクリック単価を2020年の1月・2月・3月とか比較して見ると、1ドル以下だったところが、コロナ禍でロックダウンが始り、それが1ドルぐらいに高騰していったっていうことですね。30%アップになっています。

やはり大手っていうとすごい大きいところがどんどん参入してくるわけで、ウォルマートのようなところが、ECですごく儲かったみたいなニュースがあったのですが、ただSEOとオーガニックでやってるわけじゃないんですよね。ちゃんといろんな広告出してやってますね。

米国でよく使われているECサイト構築プラットフォーム

似田貝:ちょっと雑談になりますけど、ECのブームの中でよく触れられてるこのShopifyが出てきますが、あまり日本だとShopifyって宣伝を大々的にやってなくてですね、これこそコロナ禍でブームになった日本の銘柄で「ベース」っていう会社があって、ベースを宣伝するテレビコマーシャルとか、同じようなもので「ストアーズ」っていうやつがあって、そういうのテレビコマーシャルとか見たりするんですけど、なんかアメリカだと結構ショップはShopifyで作ってるなみたいなやつ見たりしますか。

クリス:アメリカの場合は、宣伝とかで見るわけではなく、むしろコミュニティから聞く事がありますね。同業の事業者同士の話の中で、規模や業種によって、使ってるECプラットフォームみたいな話に、BigCommerceやShopifyなどが出てきたり。やはりプラットフォーム運営しる企業って、SaaS作ってる業者さんとインテグレーションしたいじゃないですか。なので、例えばチャットアプリの会社とかも、どこと提携したらいいのかなっていうと、やはり、ミドルサイズのビジネスだとBigCommerceやWooCommerceやShopifyがいいねとかって話あがってきたり。そういうレベルで話を聞くと、結構ちゃんとECプラットフォームも差別化されたりしてるんだなって、ちょっと前に話したことで覚えてます。

似田貝:ちょっとShopifyに耳馴染みのない人もいるかも知れなかったので、取り急ぎ、Shopifyは広告っていうよりは、eコマースサイトを作るためのプラットフォームなんですが、そういうデータを調べて出しているって事になります。

クリス:コロナ前だと、ShopifyってAmazonキラー的な位置付けっていうイメージがあって、要は(Amazonに出品していると)Feeとかの観点で、Amazonベーシックと戦えないとか、価格戦争になっちゃうからっていうことで、差別化するにはShopifyだねってなったり。コロナになって、ちょっと個人的な意見ですが、自分でコントロールして売りたいからという理由などで、例で言うと、地方の焼き物屋さんが自分の店を構えるということで、Amazonよりも自社サイトでShopfiyを使って成功したっていう話を聞いたりするんです。ShopifyがAmazonの競合だとか、Amazonで売りたくないっていうシナリオじゃなくて、なんかECの売り方のイメージっていうのが変わって、競争の仕方っていうんですかね、そこら辺が変わったイメージはありますね。個人的に。

中国への越境ECの広まりでさらに競争が激化

似田貝:それに関連する話もこの後出てくると思うんですけど、ちょっとその前に、ECブームによって競合がワールドワイドになってきたっていう動きについて、カバーしておきたいです。やはり越境ECって日本でもよく言われて、日本の商品を海外の人に売るみたいな文脈でよく出てくるんですけど、「プリパンデミック2018年・2019年」って書いてる方は、「1位US・2位カナダ」になっているのはこれショッパーですよね?買う人がランキングしていくと、この国でしたみたいなのが、アメリカ、カナダ、UK、中国、オーストラリアっていう状況だったっていうことですよね。

クリス:そうですね、越境ECを行っている国ランキングみたいな形です。

似田貝:それがパンデミック・つまりコロナ禍後にどうなったかというと、アメリカ、中国、カナダ、UK、オーストラリアって、中国がもう2位まで食い込んできてますっていうことで、相当中国人が爆買いしてますみたいなことですよね。

クリス:そうですね、ちょっと細かい理由とかっていうのは具体的にはリサーチとかに書かれてない中、Shopifyの独自データっていうと、推測ですけれども、分かってる範囲で言うと、例えば中国人がきっとアメリカのサイトにきて、ドルを中国元の単位で買うなど、その時に使ってるExchange(為替変換)とかの利用率が爆発的に上がった。もちろん、その中国からのトランザクションが増えたっていうのもあります。そういった意味で越境ECっていうのが増えるっていうのは、個人的な意見なんですけど、もしかしたらコロナで船が動かなかった中、自分の国で買えないものを、他の国で買ったら送ってもらうことに期待するとか、ロジスティックが止まったけど、DtoCだとなんか普通に配送してくれるみたいな事だと思います。そういう現象はホリデーシーズンとかに実際あったんですよね。

例えば、アメリカでPS5が買えなかったら、じゃ、日本から、という動きはちょっと想像し難い話だと思うんですけど、例えば、Nintendo Switchはアメリカで売り切れだったけど、日本のサイトで買って送ってもらえばいいかなとか。日本人の僕がやりそうなことを、多くの人がやったんではないかっていうのが、アメリカの中でも越境ECが増えた背景だと思ってます。中国だけではなく、他の国からのトランザクションも増えたと思います。

似田貝:この “March-September”には含まれないと思うのですけど、2020年の2月にクリスさんの家に遊びに行ったときに、Nintendo Switchを買おうとして周りのTargetとかを見て回ったのを覚えています。もうあの時から中国の爆買いが始まっていたと思いますけどね。
クリス;そう、ガイ(似田貝)も買えば良かったですよね。あとでeBayで売れば、2倍ぐらい儲かってたことになりますよ。

似田貝:日本の価格よりも1万円も安く買えたんですけどね、40分迷ったのが仇でしたね。笑

マーケター課題感:ブランド構築・データ取得・リテンション

「マーケットプレース」利用によるブランド構築の課題が浮き彫りに

似田貝:そんな雑談は置いておいて、この流れを経てなのか、「モール型サイト」つまりAmazonとかそういうところが今すごく優位になっているっていう状況で、Shopifyみたいなところを使うビジネスからすると、結構ブランド構築が難しくなってきてるようなみたいな話があるってことでしょうか。

クリス:そうですね。アメリカだと「モール型サイト」とは言わず、ここに書いてある「マーケットプレース」的な言葉の使い方をするんですね。やはりeコマースの参入だけではなくて、もともと大きいところ、Amazon的なところもあるので、やはり自社でECをやる方が、ちゃんと自社ブランドをコントロールする、自社データを取得した上でShopifyとかBigCommerceみたいなところを使う事になると思います。しかし、実際eコマースの売り上げの半分以上っていうのは、モール型的なところにあるっていうのが現実です。自分が売り上げを伸ばす土壌のパイっていうのが、競争激しくなっていくと、やはり設ける場が小さくなっていくっていうイメージをすると、どんどん競争化し、自分のブランドを立ち上げる上での競争が激しくなったりします。だってお金がほとんど違うとこに流れてるっていうことですよね。価格競争が始まっているところに、自分も行きたくなく感じるのは普通で、自分のサイトを立ち上げるには、やはりブランド意識高く、プレミアムっぽいところをやらないといけないよねっていうことになると、そこを考えるだけでも結構ブランド作りが大変になってきたってことですよ。

似田貝:詳しくはプリンシプルアメリカのサイトも見ていただければと思うんですけど、日本のeコマースでもモール型といわれる、Amazon、楽天、ヤフー・ショッピングが一番大きいサイトだと思うんですけど、そこの3社を合わせると、日本のeコマースのトランザクションの41%はそこで買われてるっていうデータがあって、他のモールサイトとしてZOZOTOWNとかいろいろあると思うんですけど、そういうのも合わせると多分50%ぐらいがマーケットプレイスで買われてるっていう状況と、日本とアメリカで結構似てるのじゃないかなという感じはするんですよね。

その中で、自分でショップを作ってやるっていうのは、若干難しく感じるっていうのはなんとなく分かります。ただ、ユーザーとしてはAmazonのポイント欲しいからAmazonで買いたいみたいなことですよね。

クリス:配送も楽だし、そういうリターンもなくなるしっていうところもあるでしょうね。左側にあるデータの50%、さっきの売り上げの半分がそこにマーケットプレイス・モール型サイトにいってるよっていうところで、あとその次に来る36%っていうコンサーン(懸念)。なんでそのモール型のところに売ることへのコンサーンをしてるかっていう二つ目の理由が「Inconsistent view of customer behavior」とか、「Customer relationship is owned by the ecommerce marketplace」です。自分のカスタマーの顧客体験って、モール型サイトだと差別化しにくいとか、自分でコントロールできる事が限られたりする事に懸念している。だから、ShopifyとかBigCommerceとかは、自分の販売チャネルを設立して、カスタマイズされた店舗っていうのを作るっていうポイントがキーになってくる。そんな所がツールの強みであり、人気がある理由にあるのかなと思います。

モール型サイトではカスタマージャーニーが可視化しづらい

似田貝:という感じのトレンドがありつつなんですけど、次のページってどんなな話でしたっけ。

クリス:ここはですね、モール型の話の延長です。まず、人が何かeコマースで買うというときに、何か探すときはGoogleに行くんですけども、何か買うってなると、カスタマージャーニーで言う最初の部分っていうのは、よほどブランドを設立してない限りそこに直接行かないわけですよ。だいたいの買い物はAmazonからスタートするっていうリサーチも、多分皆さんどっかで見たことあると思います。買うときはAmazonから、そういうのがあるので、自分がショップを運営するとか、パーソナリゼーションとかCXやるときの戦略施策の中で、何がチャレンジングかっていうと、特にモール型サイトで売るとなると、「Inability to track targeted customers」です。要は、カスタマージャーニーの見える化ができない、データが取得できないなど、アトリビューションの課題がトップに来ているのが、マーケットプレイスであるからこその課題。EC事業者の悩みみたいのがあるんですよね。なので、自社サイトのストア立ち上げるっていう理由もすごく明確な分、データの基盤とか精緻化っていうニーズはどんどん求められているのではないでしょうか。

似田貝:Amazonで出品していれば、そのRAWデータは多分手に入らないですけど、この商品結構見られてるんで、在庫補充した方がいいですよみたいな情報も来るし、何個売れたとか結構わかるので、一見いい。だけど、自社サイトでここを作っていこうというこの流れからすると、Amazonで検索を開始されると結局どこからこの商品を知ってもらえたのかなみたいなのがわからなかったりするっていうことでしょうか。

クリス:やはりブランドがそもそも強い、例えば僕はNikeやAdidasとか好きなんですけども、考えずに直接行けるじゃないですか。ドットコムと打ち込めば。xxx.comって入れて、そこ行ったら好きなっていうのはもうすでに用意されてるっていう状況だと、むしろそこはもうブランドが強いから問題ないと思うんですよね(実際ブランド力がある所はAmazonに出店しない会社もある)。だけど認知も何もないコモディティ化されている物だと、真っ先に飛び着くのがAmazonやモール型サイトじゃないですか。だから、コモディティー化された物やブランド力のないモノのブランド構築の難易度が高いっていうのは、そういう現実や結果が表しているのではないでしょうか。

似田貝:なるほど。ユーザーの行動がそういうふうになってるからっていうことですね。

クリス:そうですね。これも日本もアメリカも変わらないんじゃないかなと思います。

獲得コスト上昇を受けて、リテンションが重要に

似田貝:ECトレンドとして、ブランディングの難しさがあったと思うんですけど、最後のECトレンドは、獲得コストが高くなってきているので、リテンションが一番重要になってきてますっていうことでしょうか。

クリス:やはりさっきあのクリック単価が上がったとか、クリック単価が上がってる中、コンバージョンがフラットだと顧客獲得数も高くなるっていうのが目に見えてます。前のブログのエピソードにも紹介したんですけども、コロナ禍でトラディショナルの広告費というのがデジタルの広告予算に移りましたっていうデータを紹介しました。テレビとかラジオなどの媒体、トラディショナルの広告がペイドサーチやソーシャルメディアとかCTVに移りましたっていう話があり、そうなってくるとそこが激戦してるっていうことですよね。そこだけで(デジタルだけ)勝負すると、やはりクリック単価も高くなる状況に直面し、顧客獲得ができたのはいいんですけど、本当のお良い顧客獲得コストっていう意味でのうまみが出てくるのはリピート顧客を上げてからだと思います。「ここのプロダクトいいね!、また買いたい!」ってなったときに、獲得コストをさげる事を追求するとどんどんCPAなどが下がっていくっていうことです。

広告チャネルを増やすっていう手もあって、もっと効果よくチャネルミックスを賢く回すっていうのも一つの案でですけども、そのリピート顧客を増やすっていうのが、近年、最優先されている課題とかになっているのかな。やはり自分の顧客データを持つことの大事性っていうのは、ガイも詳しいと思うんですけど、プライバシーデータの保護って意味で、ビッグテックが直面している課題はありますね。例えば、サードパーティCookieやめるとかで、広告のターゲティング制度やデータの正確さ、リスポンスメトリックの見える化っていうところがちょっと危うくなってきていますね。そういった意味では、顧客データをしっかり持つところっていうのを最優先してる会社が増えてるっていうのが一つのトレンドです。(ゼロパーティーデータに注目する企業も増えてる。)

第一位の優先施策はカスタマー・エクスペリエンスの向上

似田貝:そんな状況1・2・3がある中で、USで何かやるんだったら、2021年マーケターがどんな施策をやっていくかというところで言うと、これですか。顧客体験の向上。

クリス:ブランドとかマーケットプレイスがモール型とかいろんな言葉を利用したと思うんですけども、2月2021年のIBMからのデータが共有されて、これを見ると:「Outperformer CEO’s Top Priorities」と言う意味で、「Outperformer」ってそのいろんな業種の中で比較的健康的な儲かってるところの3000人のCEOにインタビューしたところ、今後、2、3年のトッププライオリティーとして、どこに投資するんですかっていう質問に対して、6割のCEOが顧客体験向上「CX」に投資するっていう結果になってます。2番目に顧客との関係を強化する。やはりコロナも関係していると思うのですが、チャネルやデバイスを問わず、ちゃんとデジタルでの顧客体験、日本でバズってる「DX」の一貫に顧客体験「CX」っていうのがすごくキーポイントになってくるんじゃないかなと思ってます。それだけじゃなくてね、コロナ後、やはりそのオフラインの店舗とかにも普通にお客さんは戻ってくると思うんですよ。さっき言ったように、いろんな顧客層が、ECの旨味を知ったっていうところで(僕の奥さんの例など)、今後、オムニチャネルっていう戦略がやはり一つのCX戦略だと思う。顧客体験をどう良くするのか、ブランドをどう差別化していくのかっていうところがすごく大事だっていうのが世界のCEOが言ってますと。この調査がエビデンス(証拠)になってます。

その背景には、データとアナリティクスとか、それがないとCXもうまくできない事があります。顧客データとか製品データを統合したり、在庫売り切れてるのに広告打ってもしょうがない例などで、在庫計のデータや商品情報管理のデータを結びつけないと、本当のマーケティング上でのCXってできないんじゃないかなって思う。

似田貝:それこそTargetみたいな、今まではトラディショナルに店舗をたくさん展開してやってきて、その店舗のデータを分析していったっていうところでも、マーケティングチャネルの一つとして、というか、その売り場の一つとして、ECサイトも入ってきて、そもそもクロスチャネルというオムニチャネル的な分析が必要になってくると、CX全体で捉えていかなきゃいけないよねって言ったときに、この人はモバイルでどんな行動をしてるんだっけ、この人は店舗でどんな買い物をしてるんだっけ、みたいなことがやりたくなってくると、そのときに精緻化的なデータ基盤を綺麗にするっていうことが重要度が増してるよねみたいなことでしょうか。

クリス:最近結構注目されているのが、インテントっていうかさ、顧客が何かを買うときは、流入元のチャネルだけじゃくて、例えばカートに投入した商品や行動とか、そういう買う興味を示すデータが意外とリマケに通用したりしますよね。インテントってどうやって増やすのっていうときに、やはりいい体験するから始まるし、やはり良い顧客体験と販売の因果関係って絶対あると思います。

似田貝:確かに、何か今僕が相対しているお客さんでも、こういう小売でいっぱい店舗あって、WEBでもやるって言ったときに、リアル店舗のデータ管理とWeb店舗のデータ管理が結構違ったり、例えば商品のSKUが違ったりとかそういうのがあって、結構苦労してる会社さん多いんじゃないかなっていう印象はあるんで、それこそデジタル・データ基盤みたいなところの見直しのチャンスとしてはなんか千載一遇のチャンスだったのかもしれないですね、今は。

クリス:そうですね、最初は結構大変かもしれないけど、その投資が後でいいものになると思いますよ。

まとめ

似田貝:ということで、ちょっと時間が長くなっちゃってるんですけど、まとめるとっていうことで。

  • パンデミック後も成長をしているeコマースがあって、これはアメリカもちろん進んでるけど、日本でももちろん進んでて、世界中どこでも進んでて、それが進んだことによって、eコマース空間では競争が激化することになってきている。
  • そうすると、顧客体験を他の企業と比べて、自分のところはどう良くするのかとか、CPA高くなってくるので、顧客を安くどこから取ってくるかというのを考えたり、今いる顧客をどれだけ維持するかっていうことを考えたり、っていうことをしなきゃいけない。
  • その中で自分たちはどういうデータ基盤で、カスタマイズして商品を提供していくかっていうことを考えなきゃいけないよね。
    っていう感じでしょうか。

クリス:はい。

似田貝:Sounds complicated(複雑そう)なんですけど。。。プリンシプルは全部が全部、何でもできるっていう会社ではないんですけど、そのデータ整備みたいなところとか、分析とか、実行フェーズでもSEOとか、SEMペイドマーケティングみたいなところのお手伝いができるでしょうというところで、アメリカと日本の違いみたいなところは今回のものでは何かそこまですっごい大きい違いがあるっていう話ではなかったかもしれないんですけど、クロスボーダーでやってますというところで、今日は終わりにしましょうかね。

クリス:はい。

似田貝:今日もありがとうございました。

クリス:ありがとうございました。

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似田貝亮介

千葉大学工学部卒。データ解析エンジニア。

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