この2年間でBtoB向けのコンテンツマーケティングは進化し、コンテンツへの投資が成功したというマーケターの声を多く聞くようになりました。 コロナウイルスのパンデミックで多くの企業が苦境に立たされていますが、中でもコンテンツの運用や、システム、データ解析に対し戦略的に投資したマーケターは、上手くリターンを得ている事がわかりました。

この記事では、CMI社とMarketingProfs社の調査結果を参考に、北米BtoBコンテンツマーケティングの現状と、それに基づく5つのコンテンツマーケティング戦略をご紹介します。併せて、今後押さえておくべきトピックも解説しますのでぜひ最後までご覧ください。

記事の内容

  • 北米BtoBコンテンツマーケティングの現状
  • 5つのBtoBコンテンツマーケティング戦略
  • 今後の北米BtoBコンテンツマーケティングで考えるべきこと

今回参照する調査資料

今回参照するのは、CMIとMarketingProfsのリストを使用した、マーケティング担当者を対象としたオンラインアンケートを元にした2020年7月の調査結果です。

https://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2020/09/b2b-2021-research-final.pdf

このレポートでは、世界中のさまざまな業界、機能分野、企業規模を代表する1,707名の回答者のうち、北米在住の740名の調査結果がまとめられています。

アンケート対象者

  • 企業で主に企業向けに製品やサービスを販売している(BtoB)
  • コンテンツマーケティングを少なくとも1年以上実施している
  • コンテンツマーケティング担当者であり、コンテンツマーケティング部門に所属している、またはコンテンツマーケティング担当者の上司である

北米BtoBコンテンツマーケティングの現状

それではまず、北米BtoBコンテンツマーケティングに関する最新トピックをご紹介していきます。

北米BtoBコンテンツマーケティングの成否を分けた要因

過去12ヶ月間にコンテンツマーケティングで非常に成功した、または非常に成功したと回答したマーケターは31%にも上ります。

彼らが成功したかどうかを分けた要因の上位は「オペレーションの成熟」「戦略のドキュメント化・システム化」「データの活用」となっています。

また、マーケターのほとんど(81%)がコンテンツのパフォーマンスを測定するために何かしらの指標を使用しており、最もよく使われた指標は「ウェブサイトのトラフィック」と「エンゲージメント」でした。

目標を達成するマーケターが増加

コンテンツマーケティングを利用して目標を達成できたマーケターの割合は過去3年間で増加しています。コンテンツマーケティングの効果は大きいですが、目標達成には時間がかかる事を理解した上で進めなければなりません。

3年間でコンテンツマーケティングをリード育成のために利用した人は減少しました。一方で、2年前と比較して伸びている目的は「信頼性・信用の構築」と「既存の顧客とのロイヤリティの構築」です。

これは、パンデミック下では「新規顧客獲得」や「顧客の信頼」を重視するマーケターが多かったことが影響していると考えられます。

投資額は増加

大企業ほど、コンテンツマーケティングに多くの予算を計上しています。

年間予算10万ドル以上は All (26%)、Small (11%)、Medium (32%)、Large (53%)となっており、社員1000人以上の企業の実に半数以上がコンテンツマーケに年間10万ドル以上投資していることになります。

また、コロナ禍において多くのマーケティング予算が減少したにも関わらず、全体の53%はコンテンツマーケティング予算に変化はありませんでした。このことは、コンテンツマーケティングの重要性を物語っているのではないでしょうか。

5つのBtoBコンテンツマーケティング戦略

北米BtoBコンテンツマーケティングの現状に基づくと、戦略は以下の5つが考えられます。

  • 戦略① メッセージング戦略を変えコンテンツの価値を改める
  • 戦略② コンテンツマーケティングのシステム化
  • 戦略③ コンテンツマーケの解析をレベルアップ
  • 戦略④ LinkedInを活用する
  • 戦略⑤ テキストベース以外のコンテンツも活用する

戦略① メッセージング戦略を変えコンテンツの価値を改める

コンテンツマーケティングの成功率が高いBtoBマーケターは、その成功の要因として「コンテンツが提供する価値(83%)」と「Webサイトの変更(60%)」を挙げています。これら2つから着手するのが賢明でしょう。

▼参考:パンデミックを受けたBtoBマーケターの動き

  • 多くが取り入れた施策:ターゲット/メッセージング戦略、エディトリアルカレンダー、配信戦略を変更
  • あまりやられなかったこと:カスタマージャーニーやペルソナの見直し、KPIや測定基準の調整

▼メッセージングのNG例

メッセージング戦略に関しては以下の失敗例が役に立ちます。

コロナビール(モデーロ社)が2020年2月にうった広告「もうすぐ上陸・コロナセルツァードリンク」がかなりのバッシングを受けました。

同じメッセージでも、タイミングによっては受け取るイメージが異なります。顧客の信頼/共感を得るためにはコンテンツの質に注意が必要です。

戦略② コンテンツマーケティングのシステム化

コンテンツを増やす前に、戦略的にシステム化することも重要です。

コンテンツマーケティングの多くは委託・外注されていますが、外部に依頼する際に発生する課題の多くは、システム化されていれば回避できるためです。

たとえば、BtoBマーケターがアウトソーシングの際に直面している課題は以下のようなものがあります。

  • 予算の問題:
    →予算をクリアに事前にアラインしていれば問題なし
  • 明確な投資収益率の指数がない:
    →これもKPI設定を事前に設定し、外部パートナーと共有していれば回避できる
  • 納期を守ってくれるパートナーがみつからない:
    →プロジェクトマネージなどのリソースを準備し、目標に対してできない事にコミットしないなどで回避可能

このように環境やシステムを整えることで、問題を事前に解決することができます。

戦略③ コンテンツマーケの解析をレベルアップ

データ解析はPDCAの役に立つので、今よりも緻密に、効率的にデータ解析できるよう改善するべきです。

よく使われている解析ツールには、分析ツール(88%)、ソーシャルメディアでの公開/分析(81%)、Eメールマーケティングソフトウェア(78%)などがあります。

さらに、コンテンツの現場ではキーワード調査ツールもよく利用されています(78%)。

これらのツールを使っていないのであれば、導入を検討すべきでしょう。プリンシプルではツール導入のお手伝いも可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

»お問い合わせ

戦略④ LinkedInを活用する

多くのマーケターが成果を出しているLinkedInを活用しましょう。

過去12ヶ月間でコンテンツマーケティングの成果を上げたオーガニックプラットフォームはLinkedIn(66%)でした。

ソーシャルメディアでコンテンツを配信しているBtoBマーケターのほとんど(96%)がLinkedInを利用しており、LinkedInは海外のBtoBコンテンツマーケティングでは無視できないSNS/マーケチャネルとなっています。

▼補足:LinkedInについて

  • 2016年にLinkedInはマイクロソフトにより262億ドルで買収
  • 利用者の6300万人が意思決定のポジションを持っていた(2019年のデータ)
  • BtoBサイトのソーシャルトラフィックの約半数はLinkedInから来ている

戦略⑤ テキストベース以外のコンテンツも活用する

複数種類のコンテンツを持つことで、閲覧される機会が増えます。アメリカではテキストベース以外のコンテンツ(ビデオ、インフォグラフィックス、写真、ポッドキャストなど)も主流です。

調査結果によると、「ブログ記事/短編記事」と「ウェビナー/オンラインコース」で良い成果が得られた割合はともに22%と高水準でした。

米国向けコンテンツ戦略ではこれらのコンテンツも試す価値があるでしょう。

今後の北米BtoBコンテンツマーケティングで考えるべきこと

コンテンツ制作&ウェブサイトの強化は優先度が高い

2021年にコンテンツマーケティングへの投資が必要と予測される分野は「コンテンツ制作」と「ウェブサイトの強化」です。

これら2つは優先して実行すべきでしょう。

コンテンツ運用を俯瞰してオペレーション強化

メディア資産の作り方を理解するだけでは不十分です。今後は、コンテンツ運用の仕組みを理解した上でオペレーションを強化することで、さらなる進化が見込めます。

例:

  • テクノロジーやガバナンスを理解
  • 属人化されたオペレーションを越えて再利用、再パッケージ化、活用できるようなコンテンツ構成の方法を理解

データ基盤と信頼性の両立

コンツマーケティング含め、成果を計測する上では、オーディエンスを360度可視化するデータ基盤が重要です。

オーディエンスの構築にあたって今後のマーケティング解析で重要になるのは「ゼロパーティデータ(=消費者が自分自身について積極的かつ意図的に共有しているデータ)」と言われており、このゼロパーティデータも活用できるよう、解析のレベルアップが求められています。

それと同時に、「信頼性と信用」もコンテンツマーケティングの大きな目標となっています。

Pew Research Centerの調査結果

  • 72%の人:オンライン上での自分の行動の大部分が、広告主やテクノロジー企業などに追跡されている、と感じている
  • 81%の人:データ収集の際の潜在的なリスクは、メリットを上回る

こういったユーザーの不安感をケアし信頼を獲得すれば、ゼロパーティデータの獲得にも繋がります。データの収集自体も大事ですが、信頼獲得も重要な課題となっています。

まとめ

  • コンテンツマーケティングが成功したマーケターは多い
  • 成功したかどうかを分けた要因は、「オペレーションの成熟」「戦略のドキュメント化・システム化」「データの活用」
  • コンテンツマーケターが最もよく使っている指標は、ウェブサイトのトラフィックとエンゲージメント
  • 社員1000人以上の企業の半数以上で、コンテンツマーケ予算は年間10万ドル以上
  • 5つのコンテンツマーケティング戦略:「メッセージング戦略を変え、コンテンツの価値を改める」「コンテンツマーケティングのシステム化」「解析をレベルアップ」「LinkedInの活用」「テキストベース以外のコンテンツも活用」

この記事では、北米BtoBコンテンツマーケティングの現状と、それに基づく5つのコンテンツマーケティング戦略をご紹介しました。アメリカでのマーケティング活動の一助となれば幸いです。

プリンシプルはアメリカにもオフィスを持っており、より現地のトレンドに沿った、充実したコンサルティングが可能です。米国でのデジタルマーケティングや広告でお困りの方は、ぜひPrincipleにお問い合わせください。

»お問い合わせ

関連タグ

Kris Irizawa

Logitechなどのシリコンバレー・スタートアップ企業で9年間マーケティング解析を経験。プリンシプルアメリカの解析ディレクターとしてLA在住。

ブログ