Googleアナリティクス


2017.2.23

日経MJ寄稿文|Web広告の効果を上げるには

タイトル。Web広告の成果を上げるには


日経MJ2017年2月22日号弊社COO中村の記事が掲載されました。


消費者行動の中で接触するメディアに占めるスマートフォンの割合がどんどん増え、マーケティングでもWeb広告の重要性は増しています。 一方Web広告の手法は多様化・複雑化し、その仕組みを把握するだけでも一苦労。効果的なマーケティングの設計と成果を求められるマーケターの負担も重くなっています。

大手企業の広告予算は、テレビや新聞といったマスメディア広告が占める比率がいまだに高いのも事実です。Web広告に十分な経営資源をあてられず、オンラインとオフラインを含めたマーケティング設計まで考えると難易度が上がり、Web広告については業者へ任せきりとなってしまっている企業も多いです。

こうしたケースでよく目にする失敗がWeb広告に対しても、テレビや新聞といったマス広告と同じような考え方で取り組んでしまうことです。Web広告マス広告と比較して以下のような特徴があります。

  1. 表示回数やクリック数、反響数など、広告配信に伴う精緻な成果データの取得が可能
  2. キーワードや配信先、ユーザー属性などをセグメントし、個別化した広告配信ができる
  3. 動画や紙面と比べて制作や修正が容易

マス広告の特徴は「全体に対して」「修正が効かない」「リサーチという因果関係がはっきりしない」であり、一つ一つのキャンペーンが「プランニング」をベースに組み立てられ、キャンペーン開始までの準備段階に多くの時間を割きます。

Web広告ではキャンペーン開始後の効果検証も含めたPDCA(計画、実行、評価、改善)が重要です。広告の素材や遷移先ページも流入経路や検索キーワードに応じて制御するのが可能なため、ターゲットに合わせて対応することが可能です。

Web広告の成果が労働集約的である一方、売り上げは既存のマス広告と同様、稼働ベースではなく入札ベースで計上される価格構造となっているため、業界全体として「デジタル蟹工船」などと揶揄(やゆ)される労働環境となっている側面があります。

広告媒体費用なども実際に配信した結果に基づき詳細な金額が決まる、インプレッション課金やクリック課金であることが多く、配信パフォーマンスではなく月次予算着地を強く求めてしまうと、月末に無駄に予算消化を行う運用につながってしまいます。一時話題になった不適切請求の問題についても、このような体制下ではどの業者でも起こりうる構造的な問題だといえます。

Web広告においては、PDCAを回す基準となるKPI(成果を測るための指標)を定めることが重要です。オフライン広告の場合は効果検証が難しいため、リーチとリサーチのみで検証することが多いですが、Web広告では表示→クリック→訪問→目的行動(購買など)といった単純な行動段階を追うだけでなく、ページコンテンツをどの程度スクロールしたかを示す「熟読率」、初回接触から最終接触までにおける購買動機形成への貢献度の分析、会員データと掛け合わせた分析など、様々な手法により広告の効果を可視化できます。

また、キャンペーンサイトからECサイトへの遷移率や遷移からの購買など、複数のサイトをまたがった分析などが有効な場合も多くあります。データを解析する際は、セグメントを切って見ることで、それまで気がつけなかった知見にたどり着くことができます。

弊社がコンサルティングをした事例で、「自社名での検索に対して広告を出すべきかの判断がつかない」という相談を受けたケースがありましたが、その際は出稿効果のあるキーワードと効果の無いキーワードをデータに基づきより分け、投資対効果の大きな改善が実現できました。

打ち上げ花火のような「公開したら終わり」のキャンペーンではなく、毎回「過去のキャンペーンのデータの蓄積」を踏まえてマーケティング活動全体を向上させていくことができるのが、Webをベースにしたマーケティング活動の強みです。

日本のWebマーケティングは米国と比べると、2~3年遅れていると言われています。米国ではデジタルマーケティングは社内マーケター側でコントロールし、必要な機能を代理店へアウトソースするという考えですが、日本は代理店へ丸投げすることが多いのです。

日本では優秀なインハウスデジタルマーケターが育ちにくいことには、2つの要因があると考えています。

まず、日本人と、アルファベットが母語である欧米人とでは、プログラミング言語をはじめとしたアルファベットで書かれた文字列の上に成り立っている「デジタル」に対する親和性に差があること。これらは、欧米人からすると専門技術ではありながらも日常見慣れた英単語で成り立っているため、気軽に眺める気になりますが、日本の非専門家のマーケターからすると丸投げしたくなる気持ちもわかります。

大手企業が、終身雇用的な社内制度を取っていることも一因です。マーケティングは営業的な側面が強いため、既存のジョブローテーションの一貫で、これまでWebについて全く知らなかった担当者が人事異動で突然Webを見るようになることも多くあります。その担当者が目指す社内でのキャリアを考えると、Webマーケティングのスペシャリストになることがキャリアプランになりにくいこともうなずけます。

Webマーケティングは専門性の高い分野なので、経理などのようにある程度専門性を持ってキャリア開発をすべきです。体制がそれに追いついておらず、大企業においてはデジタル分野で立ち遅れているケースが多いように感じます。

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中村研太

中村研太

2008年京都大学理学部卒業。人材企業にてWEBマーケターとして勤務。その後SEOを中心としたウェブマーケティングのフリーコンサルタントとして独立し、2013年より株式会社プリンシプルに参画。ECサイトを中心に不動産・求人・BtoBサイトなどのSEOを手がけ、多くのサイトでSEO収益向上の実績を残す。2016年COO就任。


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