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人事課題をどう解決するか 「働きがいのある会社」ランクインでも悩める理由

Great Place To Work ®(以下GPTW)が、毎年世界約60カ国で実施する「働きがいのある会社」ランキング。米国では「FORTUNE」誌を通じて発表が行われ、ここに名を連ねることが一流企業の証ともされている。そんな名誉あるランキングの2020年日本版において、当社は小規模部門(従業員25 – 99人)で31位(昨年は45位)に選出された。

当社は従来型の働き方や、個人と会社の関係性において先進的な施策を多く実施していると自負している。個人の持っている能力を、社則などの制約の中に押し込めるのではなく、可能な限り自由に発揮できるような環境を用意することで、パフォーマンスを上げてもらおうと努めている。それが最終的には顧客・社会に対しより良いものを提供し、個人の夢を実現する手助けをすると考えているからだ。事実そうした企業の姿勢に期待を抱き、入社してくるスタッフも少なくない。

しかしそうした努力をしていても、そしてGPTWで評価を受けても、イコール働きやすい環境作りにおいて悩みがないというわけではない。むしろ人に関する課題は、常に抱えている。特に「30名以内ぐらいで、社長の考えもわかり、社員もみな優秀で、社員がみな幸福」というアメリカで「ライフスタイルビジネス」と言われるところから一歩抜け出し、企業を成長させ、その過程として米国ナスダック市場に上場することを目指すと決めたあたりから、問題が大きくなってきている。これがスケールの壁、50人の壁、10億円の壁などと言われるものなのかもしれない。

例えば、「離職問題」。少数精鋭と言えば聞こえはよいが、そうした状態下では人材が限られるため、ジョブローテーションなどの機会が作れず、個人が自分のキャリアプランが描けない、理想はあっても実現しないというような状況にも当然なることがある。そしてそうなると、転職を考えるスタッフも出てくる。

スタッフの離職は、さらなるリソース不足を引き起こす。そうなると残された人材の負担は当然増える。その負担をよしとしなければ、人はそこでまた辞める。つまり悪循環に陥る危険性があるわけだ。当社の場合も従業員が30名の時までは、離職率は低かった。しかしこの1年は、GPTWの評価と並行するように、当社にとっては過去最大の離職率という問題を抱えるようになった。

Best_Workplaces_JAPAN_National_2020

もっともGoogle、アップル、スターバックスなどの世界的優良企業にも課題はあるだろう。離職率だけでなく、業績の良し悪しで、都度軌道修正が必要になることもあるだろうし、競合他社よりも優位に立つためには、常に経営的課題もあるだろう。しかも時代はあらゆる点で「不確か」でもある。社会の不確実性からも引き起こされる問題は、企業の大小、有名無名は関係ないと推測する。

では課題がある時に企業、そして個人はそれに対しどう取り組むべきか?当社の場合は経営メンバーの社員に対する評価がパフォーマンス(成果、数字)に寄りすぎているので、「社員の心や話に耳を傾けることを疎かにしない」ということが課題だと考えている。この課題を解決するために必要となるのは、人事の「PM理論」(Pはパフォーマンス、MはMaintenance、つまり人へのケア)のMを強めていくことだ。(米国ではダニエル・ゴールドマンのいう「EQ(こころの知能指数)」を高める、と同義で考えている)。Pの強いメンバーだからこそ、創業から短期間で顧客の信頼を得てきたという自負はあるが、次のステージでは新入社員、業界未経験者、働くことの意識のギャップを抱える人などをうまく育てスケールする必要が出てくると思っている。そんな中、まず一番に変わるべきは経営陣なのだ。そのためにはマネージャー以上のポジションにある人間が、マネジメントに徹し、ある程度スタッフに作業采配を認めていく必要もあるだろう。

個人が問題にぶち当たるような場合はどうだろう?人間の性として「隣の芝が青く見える」ということがある。時にそれは自社の批判をし、転職する理由にもなる。批判や転職が必要な時ももちろんあるし、否定はしない。しかしこれを繰り返してしまう場合は、一考が必要だろう。自社批判、転職を繰り返す人というのは、物事を他責にしているケースも少なくないからだ。人生にはそもそも困難はつきものだし、文句の一つも言いたくなることはあるだろうが、それは時に成長に必要なプロセスであることも、忘れてはならない。これは私生活においても何ら変わらない。

スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』には、「人間は動物と違って、刺激と反応の間に選択の自由がある」という言葉がある。例えばクライントからの「クレーム」という刺激があった時に、反応的に「逃げて更なるコミュニケーションをとらない」のか主体的に「課題を解決するために向き合い、クライアントと自分の成長につなげる」かは選択次第なのだ。会社で起こる課題に対しても、個人の人生で起こる出来事でも、対処すべき方法は同様である。

起こること 反応的な反応 主体的な反応
上司がいつもいらいらしている 顔を合わせるのもいやだ 彼はなぜイライラしているのか?どうしたら助けになるか?
会社の業績が落ちている 不安なので転職しよう どうやったら自分の影響の範囲でよく出来るか?
経営陣の方針が合わない 経営陣を批判する 影響を与えられる範囲で小さな成功をして提案しよう
優秀な部下がいない あいつらはだめだと批判 人は本来成長したいと考えるのでは?
どうしたら部下を良くできるか?
会社のイベントが好きじゃない ストレスが多いが、文句を言いながら参加する 話していない人を知る機会にしましょう

課題に対する選択によって、行動が変わり、ひいては得られる結果も変わるのだ。私たちは、それを忘れるべきではない。

先述のように、弊社は「PM理論」におけるMを強めていくステージにあると思っている。そのためには経営陣が過去の反省点や課題を客観的に分析した上で、採用と人材育成に力を入れ、サービスの質を安定化させる必要があると感じている。その一環として、2020年4月に発足させる「プリンシプル大学」という教育専門部署のトップに、副社長の木田和廣を据えた。この部署は当社に入社した社員がクライアントとのやり取りを始める前に、当社理念理解、名刺交換などのビジネスマナー、ネットマーケティングの基礎、解析の基礎、各商品の専門性の理論、実践を学ぶ目的で作られる。木田はデータ解析業界での実績が豊富で弊社にはなくてはならない存在だが、そんな存在だからこそあえてこの部署に力を注いでもらう選択をした。

経営者として理念と共通の価値観をともにする仲間に囲まれていることは幸せなことである。そのことに感謝し、これからも続くであろう「多くの課題」に真摯に取り組んでいくことで、個人も会社も成長できればと思っている。そしていつか自信を持って日本だけではなく、世界に向けて「弊社こそGreat Place to Workだ!」と言えるようになれればと思っている。

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