業種:建材・設備機器メーカー

URL:https://www.lixil.com/jp/

課題

GA4の計測基盤・分析環境構築、GA4運用の内製化

施策

  • GA4計測基盤構築(GA4設定診断、GA4活用設計、GA4追加実装、BigQuery連携)
  • データ可視化(Looker Studioダッシュボード構築)
  • 内製化支援(GA4・BigQuery・LookerStudioトレーニング)

結果

  • 必要な情報を取得・可視化できる環境を構築
  • BigQuery活用により膨大な量のデータの可視化および深堀り分析を実現
  • 分析を行う上での基礎知識習得・スキルアップ

GA4活用を通じたLIXILのビジョン ~One Teamで挑むデータドリブン戦略~

株式会社LIXIL
マーケティング部門 商品コンテンツマネジメント統括部
マイク高橋様

株式会社プリンシプル
データ解析コンサルタント
久保 友宏


GA4が切り拓く未来: LIXILが捉えるデータドリブンの可能性
1.5兆円の業績規模を誇り、ビジネスドメインが多岐にわたるLIXIL様では、提供するウェブサービスも多数あります。
また、それらの計測を支えるGoogle Analytics 4(GA4)は、サービスが集約された環境で運用され、そのプロパティ数は実に30以上に及びます。
この複雑な環境の中で、プリンシプルはB2Bスコープにおいて、2023年9月以降、GA4の計測基盤に関する解析支援サービスを提供しています。

本対談では、株式会社LIXILのマイクさんからは「GA4を活用してデータドリブンなチーム運営や組織づくりをどのように目指しているのか」、またプリンシプルの久保さんからは「そのプロジェクトにおけるエピソードと具体的な取り組み」について、それぞれの視点からお話を伺いました。

動画で促進するB2Bビジネス:新たな挑戦とデジタルの課題

______まずは、マイクさんのお立場から簡単に伺わせてください。

マイク:主なミッションとしては、B2Bビジネス向けにLIXILの商品情報を効果的に届けることです。今、久保さんに見てもらっている動画配信プラットフォームのLIXIL-Xを立ち上げたのもその一環です。動画コンテンツの領域では、B2BとB2Cの間の境界線はますます曖昧になっていると感じています。ミッションとしてのB2BとB2Cの間の境界線も無くなってきている実感です。

______では、そのようなお立場からGA4との関係性について、どのような形で関わっていらっしゃるのでしょうか?以前からの変化などあれば教えてください。

マイク:実は、私はマーケティング部門に在籍しつつ、デジタル部門の業務も兼任しています。その立場からの気づきとして、Universal Analytics(UA)からGA4への移行は技術的には”きちんと”出来ているものの、ビジネス運用の面ではまだ十分ではないという課題がありました。
そもそもプロダクトが違う。背景思想や特徴が違うから、こう変えて欲しいというビジネス側のオーダーが出来ずにいたんです。

______久保さんは、今では様々なGA4のデータ環境に触れていると思います。当初はどのような印象を持ちましたか?

久保:提案時の頃との違いは色々ありますが、その中でも印象的な点は、大企業ならではという部分として、関与されている関係者が多いということです。そして、色々な視点がある分、複雑になっている状況があったことですね。また、いざ蓋を開けてみると、一つのプロパティに複数のサービスが同居している状況などもありました。これは我々として初動で気づけてない部分として反省点でありながらも、同時にLIXIL社内への周知における課題にもつながる部分なのかなとも思いました。社内の皆さんに状況を理解してもらえなければ、活用の浸透もないので。

______”いざ蓋を開けてみて”、他に新たな気づきは何かありましたか?

久保:実作業を通じて、計測しているイベントが何の目的かが分からない。BigQueryでクエリ集計したイベントもこれで良いのか?その辺りは色々ありました。

データドリブンな発見と探索:GA360と内製支援による融合

______プリンシプルによる支援を選んだ背景を教えてください。

マイク:当時も今もGoogle Analytics360を使っていますので、当然リセラーさんからのサポートは受けています。コスト的には抑えられリーズナブルではあるんです。でもそういうチケット制によるサポートでは、解決できない取り組み領域もあるなと感じていたんですよね。
あと、きれいにデザインされたLookerStudioのレポートなども、使われなければ全く意味がないとも思っていました。



_____解決したかったこと、具体的にどんなことでしたか?

マイク:一言で言えば、新たな発見や気づきを得ながら、探索するような営みですよね。それには関係者を集めて、専門のベンダーにサポート得ながら共に進めるようなプロジェクト型にしないと叶えられないのではという。ただ、その分コストがかかるので予算を捻出するのは大変ですけどね。

_____支援のあり方として、具体的にどんな取り組みをしていますか?

久保:フェーズ1から2へのステップでは、構築側から講師側へと、内製支援のトレーニングとして大きく舵を切りました。要望を受けながらですが、我々としてもコストに見合う取り組みとして、どう応えるべきか?という意識で動きました。

また我々プリンシプル側にも、One Teamという言葉によるイメージがありました。単なる講義形式ではなく、「スキルの伝授を通してLIXIL様に新たなデータ解析チームを作る」というつもりで取り組んでいます。

例えば、私が進めたBigQueryの文脈でいうと、分析観点を整理しながらクエリを書いて、グラフに一旦落とし込むのですが、その後も閲覧者が広がったときのデータスキャン量を考え、テーブルのパーテーション化を図ったり、SQL自体のリファクタリングをしたり。やりながら、「こういう取り組みができるんだな。トライしてみよう」って。このような即時に結果が見えるわけではないことも、PJの中で取り組めました。
”前例のない”BIエンジンなどの導入検討なども、思うことをそのまま提案させてもらえていますし(笑)。

_____プロジェクトの進め方という面では如何でしょうか?

久保:PJのキックオフ時に「これを使って取り組んでもらいたい。」とLIXILさん側からご提案いただき、Slackの専用チャンネル、タスク管理・PJ内のナレッジwikiとしてのMonday、そしてFigmaにおけるFigjamボードの活用となりました。弊社としても使いこなしてゆくうちに、タスクとコミュニケーションの連携。都度、検討目線を合わせるのがとてもスムーズに感じました。

後から思うとアジャイル的な要素を如何にスマートに進めるか?という意味で、PJの特徴を占う重要な要素だったとも思っています。

プリンシプルLIXIL様事例

マイク:あれらは、縁あって社内で試験導入したツールだったり、運用面で馴染んできた格好なのですよね。タイミングが重なったこともハッピーだったのかもしれません。

久保:私としても、そこは同感です。Figmaが提供しているデザイナーのモックアップツールも、データ分析のアジャイル検討ボードになるのだなと新たな発見になりました。今では他のPJで利用させてもらってます。

未来を見据える:LIXILにおけるデータドリブン文化の構築

_____マイクさん、今後の展望をお聞かせください。

マイク:データドリブンで自走する組織です。この取り組みはまだ途上にあり、私の責任範囲を超えてマーケティング全体、さらには全社的な課題として捉えられています。また成し遂げた後のポテンシャルも高いと思っています。だからこそ、まずは、現状打破を急がねばならない。

これは大変な課題かなと思いながら、一方では、楽観的な見方もしています。全社で見るとヘビーユーザーは、ごく一部。そのメンバーと上手に連携すること。ダッシュボードを皆が見る習慣づくりの枠組みをつくること。そこからPDCAを回すサイクルを自律的に回してもらえる文化を作ることというステップを踏むことができれば、先は明るいなとも思っていて、そのイメージも掴んでいます。これが私の展望です。

_____ありがとうございます。では久保さんとしての展望をお聞かせください。

久保:全社的な取り組みに広げる支援をする上で、大きく2つあります。1つは分析という軸です。ただ情報を整えるのではなく、アドホックな取り組みでさらに深堀りを重ねてゆく取り組みです。プロダクトをこのようにしてゆくと良いのではないか?という提言までつなげるようになりたいと思っています。

もう1つの軸は、データを民主化してゆくという展望に向けて、皆さんが利用される裏側の仕組みをもっと整えてゆく活動をしてゆきたいです。最初はヘビーユーザーの10人の単位も、100人の単位、1000人の単位の構成に随時アップデートしてゆきたいなと思っています。このような裏側の支えとなるような行為もそのカタを作るような営みのなかで、効率的に拡げられるのではと思っています。

マイク:Looker Studio による民主化とは別に、ディープダイブするツールは他のBIプロダクトでも良いかもしれないですね。管理を効率的にスムーズに拡張するという意味では、Google関連の製品を上手に活用するのも手かもしれない。”前例のない”導入検討提案をお待ちしています(笑)。



_____本日は、お忙しい中ありがとうございました。


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